7月, 2014年

<裁判員制度>今回判決は最高裁の反撃?--守山淳

2014-07-29

小林昌三さんのご指摘の通りだと思います。

裁判員裁判に対し専門家である裁判官は可なりプライドを傷つけられたのだと思いますから当初から反対が本音だと思います。彼らは法律の番人と自負に六法全書の字面に忠実であるが故に法律の求めた本質を見失い世間の常識からかけ離れた判決が続きその違和感の声に押されて導入された制度ですから言わば裁判官は失格と宣言されたとでも受け取っていたのでしょうね。それが今回の最高裁の判決だと思います。

裁判員制度の判決が重すぎるのか従来の判決が軽すぎるのか、これは議論の分かれる処ですね。他の裁判との公平性と言ってもそれぞれ違った事件ですから横のバランスは関係ないと思います。

今回の最高裁の判決に対しそもそも論から異論を唱えるマスコミ論調は少ない様に感じます。これから出て来るのだろうと思いますが・・・。

 

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裁判員裁判に対する最高裁判断に疑問ーー小林昌三

2014-07-29

みなさん へ

7月24日(木) 最高裁は 幼児殺しの両親への判決、1審を取り消し(2審は行われず)、裁判員による 懲役15年 及び 10年の求刑を 取り消し、それぞれ 10年と8年に減刑する判決。

これまで 5万人による 民間裁判委員が 選出され、数々の市民感覚による判断が 活用されてきた。
所が、今回の 最高裁による決断は
1. 他の裁判との 公平性を保つため
2. 民間の裁判員による 直観による判断の危険性
3. 裁判員制度の判決は「重過ぎる」

とのことだった。
今後、もし 最高裁まで行って 今回のような民間裁判員による判決が否定され、専門の裁判官による判断 が優先・採用されるな らば、何の為の裁判員制度なのか? 疑問に感じる。

もし、そうであるならば いっそのこと こういう制度を廃止 してはどうか? さもなければ 忙しい中 また 半分 裁決に参 加したくない気分を持ちながら 指名された為に 拒否できず 無理に裁判員となり 裁判に参加する庶民感覚の一般市民 参加の意味がなくなる のではないか?

最高裁の判事や裁判官 はもっと民間や一般市民のセンス、判断を重視し、敬意を払い 従って然るべきでないか? 最高裁・裁判長や 判事の 『思いあがりと偏った判断』 を正すべく 始まった 裁判員制度ではなかったのか? もし、専門の判事や裁判官の判断が結局優先するな らば 裁判員制度を 廃止すべきであろう。

もちろん 裁判官や 判事の判断が常に正しい(と信じる)ならば 話は 別だが、 完全な人間が居ないように  最高裁 判事といえども 『人間の子』 であり、時には マチガイを 犯すものである。

みなさんは 今回の 判決に関し、どう 思われますか?

豪ヒマ人 より

日本・ロシア・ウクライナ。政治家不信が募る昨今

2014-07-21

“挑戦するシニア” みなさま へ

ふた月ばかり 留守にし 何も書かずに失礼しました。当地に戻るや Malaysia航空機Ukuraine 上空で撃墜事件で ビックリ。 Russia と Ukunaraine 政府が お互いに 非難応酬、バカじゃないの? これは 戦闘を繰り広げている 両国の責任で ど ちらの国でもなく両国の責任 ではないか? 死体を隠しあったり ミサイル搭載の装甲車を破壊し 証拠隠滅を図ろうとする 両国 の軍人や政府は何を考えているのか? この飛行ルートは 多くの民間機が利用しているので まかり間違えば JAL機や ANA機であったかもしれない。 やはり 戦争状態にある国々の 上空は 避けて運行すべきでしょう。それにしても 1万m以上 上空までミサイルが届くことが実証され、実験 を繰返す 北朝鮮など 今後 一段と気をつけねば・・・・・アメリカの兵器産業にとっては売り込みのチャンスかもしれないが 恐ろしい世の中 だ。 現在戦争状況にある イラク・アフガニスタン・シリア・イスラエル・パレスチナ・ウクライナ等の上空飛行、民間機は極力避けるべきでしょう。 テロとの戦いと言われるが その基になっているのは イスラム教・ユダヤ教などの宗教ではないか? また、民族間・部族間の争いの原因も 殆 どが 宗教、人間のエゴで 永遠に終わりがない。 一方、安倍政権発足後 600日が過ぎても(?) 中国・韓国の2大近隣国へ安倍総理が一度も訪問していないのは 何故か? 仮想敵国『中 国』 のため(?) 集団的自衛権行使 容認 閣議決定の本当のネライは何か? 『密接な国が敵の攻撃にあっても断じて自衛隊は派遣しない!』と断言した安倍総理。これ ウソではないの? 集団的自衛権行使 は 要するに 米国の要請があれば自衛隊を海外派遣する コミットメントではないのか? 専守防衛に徹すると 言い張っているが いずれも 詭弁に過ぎないのではないか? 何か ウヤムヤにして 国民を だまくらかそうとしているのではないか? 世界制覇を目指す中国、軍事力の相対的低下のアメリカとの「日米安保条約」 は余りあてにせず、むしろ正々堂々と 『日本国憲法全面改正』  を国民に問う 位 思い切った 政策の転換を図った方が良いのでは? そして、もし 国民が望むならば 正式な 「日本国軍」とし、必要ならば 尖閣でも どこでも出かけて行く・・・・・。 いい加減な まやかし、ごまかし はそろそろ 止めてもらいたいものだ。 いつもの独断と偏見で 一言。 豪ヒマ人 より

69回目の終戦記念日に思うーー集団的自衛権問題に寄せて

2014-07-15

本格的な夏の到来が間近いです。夏の風物詩である京都の祇園祭が始まりました。

一ケ月後には8月15日の終戦記念日が到来します。首相や議員の靖国神社参拝が毎年政治的問題になります。昨年の安倍総理の靖国参拝で特に同盟国アメリカからも批判が飛び出しました。声高に日本を非難する中国、韓国に対し日本国内では感情的反発が増えています。

終戦から69年。段々と戦争体験者が少なく成っています。戦後一貫して来た平和国家日本という姿勢が安倍政権の拙速とも言える閣議決定で集団的自衛権の容認と成りました。多くの国民が個別的自衛権と集団的自衛権の違い等を理解していない中で憲法の基本を一内閣の解釈で変更する危険性が指摘されています。

紛争の地域として何度もアメリカが軍事介入をしてきた中東諸国では日本の平和主義は大変に尊重されて来ました。石油の殆どを中東に依存する日本は米国との同盟関係はありながら常に一定の距離間を保ち一発の銃弾も撃って来ませんでした。しかし集団的自衛の容認は中東諸国からすれば今までの日本とは違いアメリカと一緒に銃弾を撃つ国、という受け止め方をされるリスクを抱え込んだと言えます。現地に進出する日本企業や邦人が今後はテロの対象になる危険性があります。

この視点がどのマスコミでも指摘されてないのが不思議です。安倍総理は遠い中東などでの戦争には参加しないのだ、と記者会見で発言していますがそれであれば何故集団的自衛権なのでしょうか。同時に中東諸国が如何なる受け止め方をするのか、邦人がテロの対象になる危険性をどの程度理解しているのか極めて疑わしい感じを受けています。

今年は改めて終戦の玉音放送に込められた昭和天皇の願いを噛みしめる年ではないのかな、と思います。

(守山 淳)

(守山さんは雑誌「きらめき百歳」に「士魂商才」を連載しています。今月のテーマは集団的自衛権の行使に関する閣議決定ですーー早房長治)

小林昌三さん、お元気でーー守山淳さんからの返信

2014-07-13

小林様

 久し振りの日本で色々と御感じに成った点は参考に成ります。

日本人ですからTVを見ても新聞を読んでも100%理解出来る生活はストレスもないですね。加え食べ物もバラエテイーに飛んでいますし中華料理なども日本人の舌にあった味付けに成っていますからこれもハッピーです。但し、豪州や英国、米国の様に都会の近くに自然豊かでタダ同然のカントリークラブがあり終日仲間と過ごし気が向いたらゴルフに興じる、と言った生活は日本、特に東京の様な大都市では無理ですね。ゴルフ場に行くのに朝の6時には出発して一日仕事。安くなったとは言え一回1万5~6千円はします。メンバーと言えども一人では廻らせてくれない等々 日本に住んでいれば当たり前と思う事も海外生活をすると日本は大変だな、と分かりますね。

大都会は24時間営業のコンビニもあり本当に便利になり一人者でも余り不便はしませんが田舎に行くと大変です。少なくとも車を運転せねば餓死する危険もあります。それでも東京は人の住む処ではないと私は思っています。首都圏直下型地震が騒がれていながら全ての国家運営の機能を東京集中にして分散しようとしない。一時首都圏移転の国会決議までしながらそれも無視。何故なら東京が便利だから。許認可制度を縮小し地方に分権すれば企業も地方に本社を移し人口の分散が可能になります。名古屋在勤中、ゴルフ場まで15分~30分で行きましたし一人でもラウンドさせて呉れて半日仕事でした。

結局霞が関の役人が許認可の甘い汁=利剣を手放したくないのでしょうね。加え二世・三世議員は選挙区は地方でも自分は東京生まれの東京育ち。そんな政治家が本当の意味で日本の農業の将来を考え決定する事が出来るでしょうか。自分は田圃に入った事もなく農家の苦労も全く知らない訳ですから。

 以上を考えるは矢張り地方を活性化させ人口の集中を分散する事が大事だと思います。それには霞が関の許認可制度を辞める事。これにより小林さんが言われる便利だけとゴルフも出来ない物価は高い、年金は減らされる、医療費は嵩む。老人ホームも土地代が高いから結果金持ち以外は入居出来ない、という事になるのでしょうね。

 今日は96歳になる家内の母親の終の棲家の下見に行ってきました。義母は元気で一人で三田の一軒家に住んでいましたが2週間ほど前に体調を崩し今は入院中です。体調が戻っても又従来の様に一人で一軒家で暮らすのは無理だろうという事です。都営の特別老人ホームは倍率が高く入居はほぼ不可能。私営の施設は莫大な入居金や月額費用を請求される。庶民が対処出来る費用負担の施設は本当に少ない事が分かりました。今日出掛けた施設は世田谷の成城の近くで先月開館したばかりですが都心の外れです。関東を中心を老人ホームを経営する会社ですが湯河原とか相模原とは都心より離れた場所に設置されています。

それでなければ毎月の入居者への負担金を抑えられないという事でしょうね。地方であれば東京の半分以下で運営可能ですが。東京で歳を取るには若い頃からそれなりに老後の経済的準備でカネを貯めねばなりません。如何に政府が富裕層の老人諸氏にカネを吐き出そうとしてもこの老後のプアーな状況を見ればカネを貯めて備える以外に我が身を守るすべはないと再確認して来ました。

その点では海外は都会の近くでも安いし広いし、ですね。失うものがある反面、日本では得られない快適さも海外にはあります。そして最後は何より自分自身が健康である事、でしょうか。その意味で6月6日6時の会を来年の開催する事を一つの目標にお元気で豪州から吠えて下さい。

 

一時帰国した日本から豪州に帰るにあたってーー小林昌三

2014-07-13
みなさん へ
 色々と お世話様になりました。ありがとう ございます。
 
約2ヶ月 東京で過ごしましたが 「様々な動きが速すぎること」、「ゴルフはまだまだ安く遊べないこと」 がよ~く 分かった。また、「人間が多すぎる?」ためか、ただ ボーッとしていても 疲れますねえ・・・・・。ただ、食物は 豊富であり 一人で生活する環境としては 便利そのもの、ただ 物価は 決して安くない! どうだろう 一人生活でも 毎月最低 20万円程度はかかるのではないか? もちろん ゴルフや旅行など費用は 一切含まずに・・・・・。パートナーが元気ならば 結構だが 介護が必要だったり 自分が 医者通いになったりケースは除外するとして。
年金だけの生活者には とても ゴルフなど 年間100回以上 プレーできる環境ではない。それと 今回は 交通費もバカにならない、と感じた。友人との「会食などにも一回 最低2~3千円はかかる・・・・友人関係を 親しく続けさせて頂くとして、やはり 毎月 30~50万円程度必要ではないか?かあw
70歳を超え、75歳になり、もうじき「喜寿」 年齢を迎えるが、今後の 生活設計 をどうするか?・・・・・真面目な話、真剣に考え、こまかい出費計画など立て、日々を過ごさないと。
残る 寿命を あと 10年間と仮定し では 「あと いくら必要か?」 病院通い、介護施設入居など 情報も 集め 具体的に プランを 作成しておく必要があるかもしれない。
「そんな事、とっくに分かっているよ!」 と言われそうだが・・・・・
ボケとか 介護施設入居など 事前予測は 困難だが、そういうことが起こり得る ということ。 当然 Home Doctor(かかりつけの医者) はあるのだろうが、少なくとも半年に1回程度の健康チェックが 必要でしょう。
もし、お互いに 健常者で 居られたら また 来年も 是非 お会いしたいものです。 今回の一時帰国で みなさんに お会い出来て良かったです。 どうぞ お元気で、また お幸せに!
小 林 昌 三 in Tokyo
July 12th, 2014

強引すぎる安倍内閣の政治運営、集団的自衛権も成長戦略も

2014-07-08

通常国会の予算審議が終わった4月頃から安倍内閣の強引すぎる政治運営が続いている。今月1日、閣議決定した集団的自衛権の行使容認では、「なぜ憲法改正の手続きを取らず、一内閣の憲法解釈の変更だけですますのか」などの重要ポイントについて、ほとんど説明しなかった。6月24日に閣議決定した新しい成長戦略は法人税減税、残業代ゼロ、公的年金からの株式投資拡大など問題のある項目を多数含んでいるが、内閣は、これらについても十分な説明責任を果たしていない。このままでは、議会制民主主義は破綻しかねない。

集団自衛権の行使容認は軍事力の発動を「専守防衛」に限定していた憲法9条を覆す、安全保障政策の大転換である。これを与党間の密室協議と一内閣の憲法解釈の変更によって行うのは立憲主義にも議会制民主主義にも反する。それにもかかわらず、安倍内閣は憲法改正の手続きを取らないだけでなく、その理由を説明しなかった。

「なぜ、今、集団的自衛権の行使容認の必要があるのか」という国民の疑問に対しても、安倍内閣は安全保障環境が厳しくなったことを強調するだけで、ほとんど口を閉ざしたままである。たとえば中国の軍備増強が脅威であるなら、その理由を明示し、集団的自衛権の行使によって脅威が取り除けることを論証しなければならない。安倍内閣は閣議決定にあたって、このような論証を試みようとさえしなかった。

今回の閣議決定に対して国民の持つ最大の不安は、集団的自衛権の行使に関して明確な歯止めがいっさいないことである。首相は閣議決定後の記者会見で、「(政府が与党協議の終盤で示した)武器使用の新3要件は憲法の規範性を変更するものでなく、憲法上の明確な歯止めとなっている」と述べている。しかし、新3要件の第1項を見れば分かるように、抽象的な文章が羅列されているだけで、明確な歯止めは見当たらない。

「我が国に対する武力攻撃が発生した場合のみならず、我が国と密接な関係にある他国に対する攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明確な危険がある場合に、(集団的自衛権の行使が容認される)」というような、具体的な場所もケースも限定していない行使容認条件は、時の内閣によって、いかようにでも拡大解釈することが可能である。

政策決定の粗雑さと強引さは安全保障分野だけではない。経済政策でも同様である。

このたび閣議決定された成長戦略のうち主なものだけをチェックしても、政府が政策の意義や欠点について、国民に対してまともに説明しようとしていないことが分かる。

新しい成長戦略の最大の目玉は法人税減税である。消費税を減税する一方で法人税を大幅減税することには政府内でも意見が分かれたが、安倍首相の強い意向で、成長戦略と同時決定した「経済財政と改革の基本方針」(骨太の方針)に盛り込まれた。甘利明・経済財政・再生相によると、現在、35%強の実効税率を20%台に引き下げることを検討しているという。

もし、法人税の5%引き下げを実現すると、代替財源として年約2兆5000億円が恒久的に必要になる。しかし、現在の政府にはそのような財政的余裕はない。このため、安倍内閣は代替財源をどうするかは先送りして減税方針だけを決めた。このような租税政策は過去にも例がないほど乱暴なやり方である。甘利氏は「法人税減税すれば企業の設備投資が増え、結果的に経済が成長し、税収も増える」と唱えるが、これは高度成長期だけに通用する理屈である。

年収1000万円以上の専門職に就いているサラリーマンに時間でなく成果で測る働き方を導入する労働システムの転換は、財界の要求を丸呑みしたものである。連合など労働側は「厳格な長時間労働規制がないままに成果主義・残業代ゼロを導入したら、今まで以上に長時間労働やブラック企業がはびこる。本人が希望した場合にだけ適用するというが、会社側の圧力を跳ね返せるサラリーマンは少ない」と反論するが、政府はこれにまともに答えていない。

公的年金(GPIF)の株式投資シェアを拡大する政策は成長戦略というより当面の株価対策とみなすべきものである。一部で提案されているように、シェアを現在の12%から20%に引き上げれば、約10兆円の資金が株式市場に新たに流入することになり、一時的な株価高騰は必至だ。しかし、金融ショックの再発などで株価が急落した場合、目減りした年金をどうして補うのか。その方法を政府は国民に示す責任があるが、今のところ、政府部内では何の方策も検討されていない。

安倍内閣が国民の多数から支持されていない政策を強行しているのはなぜであろうか。与党が衆参両院で多数を占めていることが第1の理由だが、閣僚、官僚や自民党幹部が安倍内閣の高支持率に委縮して、国民の厳しい意見を安倍首相に伝えなくなってしまったことが第2の理由に挙げられる。このような状態が続けば、首相は「裸の王様」になる可能性がある。その結果、内閣支持率は大幅に下がって政権は短命化し、政治は再び混乱に陥るであろう。混乱防止に、国民各層が今から行動しなければならない。

 

(早房長治、7月7日記す)

残業代ゼロより残業ゼロがより重要ーー7月の勉強会報告

2014-07-08

7月1日に開いた月例勉強会では、安倍晋三内閣が6月24日、閣議決定した
新しい成長戦略全体について話し合うつもりでした。しかし、実際は、時間の
制約などで、専門職のサラリーマンに成果主義の働き方を導入し、残業代をゼ
ロとする問題が中心テーマとなりました。

勉強会に先立って、幹事役を務める早房から配布した「資料」は下記の通りで
す。

「挑戦するシニア」7月勉強会・資料

安倍政権は6月24日、新しい成長戦略と、経済財政運営と改革の基本方針(
骨太の方針)を閣議決定しました。成長戦略の主な項目と、その改革点、問題
点は下記の通り。

1) 法人税減税――35%から20%台へ
●減税分を、企業が設備投資、賃金、配当に使うか
2)公的年金基金(GPIF)の資産構成を今秋までに見直し、株式投資の大幅拡
大を促す
●株価が暴落したら、回復する手段がない

3) 配偶者控除の見直し。配偶者の年金保険料を免除する「第3号被保険
」の見直し
●サラリーマン世帯の実質的減収

4)残業代ゼロ――年収1000万円以上の専門職に、時間でなく、成果で測
る働き方を導入。16年春から実施へ
●従業員の立場は弱く、長時間労働が増える可能性も

5) 混合医療制度の新設――16年度を目途に
●安全性と有効性の確保

6) 農業改革、とりわけ農協改革
●競争激化で零細農家は厳しい立場に

★このほか、国家戦略特区で、家事を手伝う外国人労働者の受け入れ/外国人
技能実習制度の拡大/安全が確認された原発の再稼働を進める/再生可能エネル
ギーの買い取り制度の見直し

話し合いを始めてみると、成果主義によって労働価値を測る問題がかなり複雑
な要素をはらんでいることが浮き彫りになりました。「チームワーク型の日本
の労働システムの下で個人の成果を測ることは可能か」「政府は自分で時間管
理できる専門職のサラリーマンを対象としているが、イメージが明確でない」
「年収1000万円以上の専門職はサラリーマン全体の約4%といわれる。こ
の人たちの働き方を変更して、どれほどの意味があるのか」など様々な意見が
出ました。

いつものように議論百出する中で、多数のメンバーが一致したのは、「長時間
労働によって多額の残業代を稼ぎ、それによって生活を維持する、日本の従来
型の働き方は、もう止めた方がいい」という点でした。「残業代の有無も問題
だが、残業を減らしたり、なくなすことがより重要だ」「ワークライフバラン
スの大切さを忘れてはいけない」という発言もありました。

「経営者側は、近い将来、残業代ゼロをサラリーマン全体に広げようとしてい
るのではないか」という指摘があり、大多数が「そんなことが起きたら、これ
まで以上にブラック企業がはびこり、過労死が増えるだろう」と応じました。
このような事態を防ぐには、「長時間労働の規制や、労働間のインターバル規
制を厳格化する必要がある」というのが多数意見でした。

皆さんの発言から推測すると、若い世代はシニアより時間に厳格で、長時間労
働を嫌う傾向があるようです。これが事実なら、その感覚が長時間労働を阻む
突破口になりえます。まず、職場からなくさねばならないのはサービス残業で
あると考えます。

<成長戦略の他の項目について>

法人税減税については、「政府の説明は不明確で、よく理解できない」という
条件付きで、「賛成できない」という発言が多数でした。

公的年金基金(GPIF)からの株式投資比率を大幅に増やす問題については、「
そんなことをしたら、株価が暴落した場合、どうするのか。だれが責任を取る
のか」という声が一斉に上がりました。

(文責=早房長治)

 

 

 
 

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