12月, 2015年

「パリ協定」で世界の環境対策、一歩前進ーー小林昌三

2015-12-18

“挑戦するシニア” みなさま へ

歴史的合意 COP21 『パリ協定』 採択と 12月13日 発表された。

COP21・地球温暖化対策・国連会議 がフランス・パリ郊外で 12月1日から開催され、先進国と発展途上国との間で CO2 削 減目 標や 先進国から 途上国への資金支援額などにつき、なかなか折り合いが つかず、閣僚級会議に持ち込まれた。196カ国も参加したのは  初めてではなかったか?

12月6日からの閣僚会議でもなかな決着がつかず、結局 主催国フランスの 粘り強い説得努力のお陰と 途上国の 妥協で ついに  12 月13日未明 『パリ協定』 が採択され 幕を閉じた。

日本の 丸川珠代環境大臣、新任ながら 英語で 演説する等 結構頑張っていた。

日本の温室効果ガス 削減目標を 2013年度比、2030年 までに26%減にするとか。
2014年 日本の温室ガス排出量は 13億6500万トンで 前年比3%減、5年ぶりに減少とか。
一般家庭での 省エネや節電が進んだ事、再生エネルギー導入拡大のお陰だと 発表している。

日本としては 最大限の 努力を続けている。

数年前 京都議定書に基き 当時の鳩山由紀夫首相が デンマーク・コペンハーゲンで演説し、日本は2015年までに CO2削減を  25% にすると大見得をきり 参加各国から 拍手喝采を浴びた。
その目標は 果たして 達成されたのであろうか?

この数年 世界各地での自然災害は まさに 地球温暖化によるものと考えてよいのか?

COP21 参加の欧米先進国(日本含む)と インド・中国・ブラジル等 発展途上国 とでは 温室効果ガス排出量が違い、また 規 制や  対策 も異なっている。

経済発展と CO2排出量は 切っても 切り離す事のできない問題であり、仮に削減目標を立てても
容易に 実現できるものではないであろう。

この数日、北京の空は排気ガスで 空も見えない状況。スモッグは 日本の空にまで飛んでくるとか。

北京では スモッグで 通行人が 一斉に 顔マスクをかけている・・・・対策を打っているらしいが、なかなか 効果がでないらしい。

東京でも 20数年前、光化学スモッグで 眼が痛み、口・鼻を押さえながら歩く姿が見かけられた。
石原慎太郎都知事(当時)が 条例で 大型トラックなど都心への入車規制で CO2 削減を義務ずけたりし、晴れた日には 遠くに  富士 山が見えるまでに回復し、それなりの効果があった。

今回の COP21会議で 最後までもめたのは、温室効果ガス削減目標を 国別に義務図けるか、又
削減のため 先進国が 発展途上国に 1000億ドルを 拠出するか 等である。

この温室効果ガス削減は 人類全体、地球規模 というスケールの大きな問題であり、先進国・途上国に 関わりなく 影響する問題であ り 地 球上に存在する人間一人 ひとりの問題でもある。

未来の地球をどうするか 各国が真剣に考え、共に協力せねば 解決できぬ問題。気温上昇を産業革命以前 に比較し2 ℃に抑え る・・・・ 1.5℃までを目指す事を努力目標とするで一致したとか。

先進国から 途上国への支援額 1000億ドルは 協定には盛り込まれなかった。法的拘束力のない 別途文書で 年間 最低 1000億ドルとする事が 定められた。 うち 日本はいくら 分担するのであろうか?

いずれにせよ、 世界196ヶ国が 参加したのは大成功だった  と思う。

豪ヒマ人  より

 

「なぜヒラリー・クリントンを大統領にしないのか」を推薦するーー小林昌三

2015-12-08

NY在住 ジャーナリスト 佐藤則男氏が 講談社新書 『なぜ ヒラリー・クリントンを 大統領にしないか?』 (880円+税)  を著 し、発売。 好評である。

米35代大統領 JFK に憧れ 渡米、40年を NY で過ごしている。『世界一強い男』 に興味を持ち
アメリカの直面する 諸問題を 大統領選を通じ学び 日本の友人等に NY Report &エッセイ を毎週書き、 11 年間も 送信し続けている、大変な エネルギーであり、情報収集力である。

この40年間、佐藤氏は ジャーナリストとして アメリカの有識者や政治家・ビジネスマン 等に接し、インタヴィュー したり、日本 派遣 のマスメデイア関係者とは 違った角度で米国の内情を分析しながら リポートしている。

この 著書は いわば その 集大成であり、2016年11月の ポスト Obama 大統領に誰が 選挙で就任するのか? を ヒ ラ リー・クリントン女史の選挙活動など詳細に分析しながら 書いたもの。

一見 Hiraly Clington 批判とも 見えるが、過去 数代に亘る 米大統領選挙が如何に 熾烈極め、候補者同士の中傷合戦や 資金がかかり、また ストラテジス ト(戦略家)が活躍する場であるか、マスメデイアが 余り頼りにならず マチガイを犯すか 等々 真正面から切り込んでいる。

小生も 在京米国大使館勤務時(1983~1988年) マイク・マンスフィールド大使のもと、『米国の持つ権限と絶大な影響力』  をつ ぶさに観察してきた。当時 レーガン大統領であり 日本は中曽根康弘首相 ・・・・ ロン・ヤス関係で 日米関係は 一見 良好に見えた 頃である。

ところが、実際は 農産物自由化問題・オレンジ・牛ブタ肉 関税撤廃問題あり、関西空港が建設される前で 米国側からベクテル社など  入 札に参加させよ 等の プレッシャーもワシントンから指令が出され、大使の指示で 建設省・運輸省(当時)に赴き、情報収集と交渉に明け 暮れしていた。

勿論、日米同盟あり 日米安保条約に基く 日米関係を周到に配慮した上での ワシントンからの
suggestion であり 「絶対的なもの」 ではなかったが・・・・日本の霞が関官僚との交渉は いつも
難航したものである。 また アメリカ製品を もっと 日本が 輸入量を増やすキャンペーンBoutique America 等開催し、JETRO 等のご協力を得て 米国製品の PR にも熱心だった。

米国産 オレンジやトマト、また 牛豚肉を少しでも多く 日本の業者に買ってもらいコンシューマーに提供したい・・・と米商務省や  業界 団体からの圧力があり、マンスフィールド大使(元・米議会院内総務)は 高齢にもかかわらず、相当ご苦労されていた。

この『なぜ ヒラリー・クリントンを大統領にしないか?』 を拝読して、米国大統領になるプロセスで
如何に多くの 駆け引きや、プレッシャー、マスメデイアの実態、勝利への 内幕が 暴露されている。大変 興味深く 勉強になる分析 とリ ポートのまとめである。一人でも 多くの日本人に読んで欲しい。
講談社の カバー表紙(帯)は アメリカの国旗にクリントン女史の横顔で 好感がもて、文章も平易で 読みやすく 中・高生が 読ん でも 理解できる内容である。

ここまで アメリカ大統領選挙の 実態をあばいた本は、これまで なかったのではないか?

外務省・外務官僚など 部分的には この中に書かれている事実は当然 理解・把握していても、では 日本の対米外交に 的確に生か し、官 邸や外務大臣・総理大臣に 報告してきたか? 又、マスメデイア、例えば 手嶋 龍一氏や 孫崎 亨 氏のような 通称 米国通の プロ による著書・論調にも 書かれてこなかったのではないか?

2016年11月6日 米大統領選まで 一年をきった・・・・民主・共和党 どちらの党の候補・選出者が
次期大統領になるか 世界は 注目しながら 眺めている。

是非、一読し 米国への更なる 理解を深めて貰いたいものである。

豪ヒマ人   より

行き詰まり迫るアベノミクス、「一億総活躍社会」政策も期待薄――早房長治

2015-12-08

10月初旬に発足した第3次・改造・安倍内閣は「一億総活躍社会の実現」と名付けた経済政策を掲げて、安保法制の強行採決で落ちた内閣支持率の挽回を図っている。支持率は野党の不人気もあって、ある程度回復しているが、政策の主目標であるGDP600兆円、希望出生率1.8、介護離職ゼロは、どれも実現しそうにない。日本経済が構造的欠陥を抱えており、高い経済成長は不可能だからである。

11月下旬の一億総活躍社会国民会議でまとまった「一億総活躍社会の実現に向けて緊急に実施すべき対策」は楽観的な言葉で埋まっている。「これまでのアベノミクスの取り組みにより、日本経済はデフレ脱却までもう一歩のところまできている」「新たな第1の矢である強い経済の実現に向けた取り組みを通じて得られる成長の果実によって、第2・第3の矢である子育て支援、社会保障の基礎を強化する」「50年後に人口1億人を維持することにつながり…」

アベノミクスは2012年末、自民党が民主党から政権を奪還して、第2次安倍内閣を発足させた時から始まった。20年以上続いたデフレから抜け出すための手法として大胆な金融緩和、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略の「3つの矢」を掲げたが、実質的に効果を発揮したのは「異次元の金融緩和政策」だけであった。大規模な財政政策は膨大な財政赤字で不可能、成長戦略は既得権者と官僚の抵抗で実らなかったからである。金融緩和政策もいつまでも続けられないのは明らかであるので、安倍政権はアベノミクスの目先を変えざるをえなかった。それが「アベノミクスの第2段階」であり、「一億総活躍社会」政策であった。

2020年のGDPを600兆円にするためには今後、年率3%以上の経済成長を果たさなくてはならない。しかし、日本経済の潜在成長力は国際通貨基金(IMF)によると年0.4%に過ぎない。もし、「3%成長の奇跡」が起こるとすれば、生産性が急上昇した場合であるが、それは過去3年間で失敗したのである。その結果、経済はほとんど成長しないばかりか、今年4月以降は半年間、マイナス成長が続いている。

それにしても、安倍政権下の3年間、日本経済は円安株高、大胆な金融緩和、原油安の好条件があったにもかかわらず、なぜ、アップダウンを繰り返すばかりで、ほとんど成長しなかったのであろうか。設備投資と輸出の低水準が原因になっていることは確かだが、それ以上に大きな要因はGDPの60%超を占める民間消費の弱さである。名目賃金は企業業績の回復や人手不足などで最近、徐々に上昇しているが、まだ98年以降の最低水準であり、消費税の引き上げなどで実質賃金や可処分所得はさらに下落している。

企業業績や雇用情勢の改善が実質賃金の増加につながらないのは、正規労働者の減少と非正規労働者の増加に原因がある。2002年以降、雇用者数は376万人増加しているが、正規労働者は172万人も減っており、非正規労働者が548万人増えている。この結果、非正規労働者の割合は全体の約40%、女性だけでは約60%にも達している。非正規労働者の賃金は正規労働者のせいぜい70%であるから、非正規労働者が増えても実質賃金や家計支出は増加しない。

安倍政権は前国会で労働者派遣法改正案を強引に成立させるなど、経済界の要求に沿って非正規労働者を増やす政策を推し進めてきた。この政策を改めない限り、消費は伸びず、経済が勢いよく成長することはありえない。アベノミクスを現状のまま進めれば、遠からず、日本経済は破綻を免れないだろう。(早房長治)

日本経済が低迷している真因。野口悠紀夫さんの著、一読をーー守山淳

2015-12-08

 日本の景気は相変わらず低迷しています。2年前に華々しく登場した日銀黒田総裁の大胆

な金融緩和政策。2年以内に2%の物価上昇を、と大見得を切り「実現出来なければ責任を

取る」と明言した日銀副総裁殿は健忘症なのか未だに責任も取らず居座っています。今月の

「選択」に日本を貧困化させた張本人と糾弾された黒田総裁。辛口評論家である同志社大学

の浜教授の最近の著書は「アホノミックス」です。経済で支持率を保ってきた安倍総裁は最

近は全く経済政策に意欲がないのか他人事の対応で有効は手が打てて居ません。

最近目にした「名言集」に「金融政策は魔術的である」、「独善的な信念と仕組まれたナン

センスを見つけることに大いなる喜びがある」、「政治の世界においてはもの忘れの才ほど

珍重されるものはない。記憶力の悪さほど政治の世界で重宝なものはない」と言うのがあり

ました。「あらゆる階級の中で金持ちは最も注目されるが最も学がない」、「バブルがいつ

崩壊するか予測するのは誰にもできない。ただ過去のバブルは例外なくはじけている」。

「成功した企業はきまって誰かがかつて勇気ある決断をした」、「経済的発展において最大

の資源となるのは人間である。経済を発展させるのは人間であって資本や原料ではない」

(ピーター・ドラガッガー) 如何ですか。中々意味深長な言葉ですね。

一橋大学名誉教授の野口悠紀雄氏の著書に『「超」情報革命が日本経済再生の切り札になる』

(ダイヤモンド社)があります。日本経済低迷の理由を日米中の比較から明らかにしていま

す。本書を読めば高度サービス産業における起業を促進するための規制緩和と円高でも儲か

る産業構造の改革が急務であることが明確にわかると思います。優秀な人材がいつまでも大

企業(製造業)にしがみついていることが日本経済低迷の理由でありアメリカで伸びている

「専門的、科学技術的サービス」を促進しようとすれば自ずと自営業者が増えるようになる

事が統計から明らかにしています。一読の価値はあると思います。

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