9月, 2016年

オーストラリア人の特徴「高いケシの花現象」ーー小林昌三

2016-09-26

仲間の皆様

一般的には 日本では余り知られていない、馴染みのない Aussie独特の tall poppy syndromeについて です。

これは日本語で 何んと訳すか?・・・『高いケシの花 現象』 とでも言うべきか? これは 何の意味だろうか?推測するに 例えば あるベンチャー企業が猛烈な努力の末、成功したとする。そこに至るまで このアントルプルーナーは 大変苦労して試行錯誤 続け、やっと成功 やれやれ 、これからが 果実を得る時期になった・・・と。

それを知った同業者や周囲の者・企業が その企業を つぶしにかかる・・・・謂わば やっかみ半分、ヤキモチから、その企業に分らない様に コッソリ あの手この手を使い やっつけ、結果 潰してしまう。 高く伸びたケシの花と茎を 途中から バッサリ 切り落としてしまう・・・・様なものである。

それ故、オーストラリアには 世界的な大企業が育たず 且つ 日本の中小企業の個性豊かで 独特の技術や ノウ・ハウ特許等で成功している様な ケースが殆どみられない。American Dream 如き Australian Dream は残念ながら見られないのが 現実である。 

この理由は 色々考えられるが・・・・・私の独断と偏見で 敢えて書かせてもらうと、1770年 英国人探検家 James Cook が Sydney 湾到着以来、原住民 アボリジニーを殺害し、土地を奪取、英国から クリミナルや 政治犯を 次々と 島流しにしてきた歴史が関係ありそうだ。

要するに 同じ クリミナル同士が食うや食わずの厳しい生活を長い間 続け そこから 或る日突然 成功者が出現し、自分達よりも より良い生活・・・・豪邸を建て、高価な乗用車、ボートなど所有をすると よってたかって『コンチクショウ、自分だけいい思いをしやがって!』 と 叩き、潰しにかかる・・・・何んと了見の狭い 根性かと考えるが。  そんな 現象を tall poppy syndrome と呼ぶようだ。英語では

influential person with status held in contempt by others who try to bring about person’s downfall or ruin となる。

American Dream とは 正反対であり、従って Australian Dream は存在しない様である。例えば 世界的に名の知られている企業といえば B.P. (石油会社)ぐらいであろうか。 ただ、こういう 天然資源は豊富であり 石油・鉄鉱石・石炭・LNG ニッケル 等の 輸出は貿易で 大きな比重を占めているのは ご承知の通り。

ただ 最近では この tall poppy syndrome は見られなくなったらしいが 潜在的に多くの Aussie の精神にはこれが 時々顔をだす・・・・と思われる。

多民族国家であるのは アメリカや カナダと同じであるが 根本的には アメリカには 人々が協力し合ってアメリカン・ドリームを築こうと協力する精神が旺盛であり 最近では Microsoft, Apple, Amazon, Google など 成功企業が多い。それに 比較し オーストラリアから 成功収めている企業の名は残念ながら 聞かない。

この原因は 一体全体 何故であろうか ? 説得可能な、納得の行く 合理的な説明・理由がなかなかみつからない。 日本でも 大田区の 中小企業で ネジで 世界的シェアを誇っていたり、BS便所サンダルの 独特の生産で成功していたり ユニークな企業がある 。もちろん、ソニーのWalkman, TOTO Washlet 宅急便など戦後の大成功企業が 沢山存在する。 ソフトバンクや 楽天なども 入るであろう。 そんな 企業は オーストラリアでは ゼロである。

この傾向は 多分 今後も 変わらないかもしれない。何故なら 国民性が ”Be happy ! No worries.” (心配ないぜ、楽しくやろうや) で根本には なるべく楽して金儲けを企み 一攫千金を夢見ている輩が やたらに多い。ご存じかもしれないが 人口 2400万人でありながら 世界一の ギャンブル王国・・・一人当たりの宝くじ等を含み一人当たりの 使用費が 年間 6千ドルとか。 海に沈んでいる 宝物探し、地上の 金鉱探し にうつつをぬかしている人口も オーストラリアが一番多いらしい。

国土の面積 769万キロ平方メートル、日本 38万キロ平方メートルの 約20倍。天然資源が ふんだんにあるので 将来あるとみられるが、人々の創意工夫や アントルプルーナーシップ精神の欠如、そして ギャンブル大国。ワイン・ビールが 比較的安く 買えるので 飲みまくり、天候も 大陸性ながら 一年を通じ 良好で 毎日の様に 面白おかしく 楽しく 過ごす 国民性ともいうべきか・・・・”Be Happy ! No worries !”  と 眼に見えない tall poppy syndrome 2017年も おそらく 変わらないであろう 。

小 林 昌 三  拝

Australia, QLD 州 Noosa Heads 在住 (Sep../23/2016 wrote)

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