1月, 2017年

今頃になって、11月勉強会報告ーー早房長治

2017-01-23

11月勉強会の報告を書くのを忘れていました。確か、あの時は、トランプ氏が選ばれたばかりで、彼の実像が分かっていませんでしたから、勉強会は実質的に雑談会に終わったと記憶しています。いまさら報告を書いても仕方だありませんからやめますが、福井さんが、いつものように、しっかりした意見書を提出して下さっていたので、それを紹介します。福井さんのご意見も、11月と今では相当変わっておられるかもしれませんが。

トランプ大統領で米国はどうなるのか
2016年11月23日
福井 義夫
1.トランプ゚は何故当選できたのか
  ・アメリカ国内の中間層以下に溜まっている不満を上手く利用した。
  ・アメリカ国民の不満に迎合するスローガンを乱発した。
    強いアメリカを復活させる。
    アメリカは世界の警察にはなれない。
    富と、仕事をとり戻す。
    移民、難民流入規制と排除する。
    メキシコとの間に壁を作り費用はメキシコに払わせる。
    TPP協議から脱退する。
等のいくつかのスローガンを述べたが、具体性については不明。
 ・一方、クリントンは富裕層に属していることから脱皮できなかった。サンダース氏の支持層の持つ意味を軽視してしまい驕りがあったのでは。
2.今後アメリカはどうなるのであろうか
   当面着手出来そうなのはTPP脱退と国境の壁を自力で作る程度か。その他のスローガンを具体化するのは容易ではなかろう。
   間違いなく排他主義的政策をとることになるであろうが、低成長は成熟した先進国特有のもので、グローバル化した世界でアメリカだけが財政出動、減税等のオールドエコノミーにより、一時的には高度成長を達成出来たとしても我が国に見られる様に一過性に終わる可能性がある。又、財源は国債増発で賄うとしても金利の上昇を招き住宅ローン、モーターローン等の上昇により消費が落ち込む可能性も有り得る。さらに、移民・難民の排斥・排除を実行すれば労働力が不足し、中長期的には高度成長は継続し難くなるのではないだろうか。
   政権の運営如何にもよるが、近い将来トランプ支持層、反トランプ層にかかわらず、大統領選挙とは別の意味で国内分断が生じることも有り得る。回避するためには、トランプ自身及び取り巻きの手腕によるであろう。
3. 日本は、今後自ら守るべきものを良く考え、自主的な外交ができるかどうかが大問題である。現職大統領を無視し、安易な朝貢外交とみなされかねない今回の総理大臣の行動は、一国民の目には軽挙妄動と映る。
   金融市場のことは株だ為替だと一喜一憂してみたところで、世の中が落ち着いてみなければどうなるかわからない。
                                 以上

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