10月, 2015年

ノーベル賞・大村教授の言葉ーー守山淳

2015-10-22

今年のノーベル賞を受賞した一人、北里大学特別栄誉教授の大村智氏の言葉が印象に残

りました。

「やっぱりやったことはだいたいみんな失敗する。思ったことよりもはるかに難しかった

り、うまくいかなかったり。しかし、そのうちの5回か6回か7回するうちの1回とかび

っくりするくらいうまくいく時がある。その味を味わっちゃうと後は何回失敗してもこわ

くない。それが研究の楽しさですね。1回失敗してそれでもってもうだめだと思ったらだ

めですね。これが必ず役に立つんだと思いながら研究を続けることが大事だと思います」

「いろいろやりたいことはあると思うんですけどもなんて言うかな、これは絶対無理とか

これやると失敗するというのではなくて、失敗してもいいからやってみようという気持ち

を絶えず起こさせなきゃならない。成功した人はあまり失敗を言わないんですよ。だけど

人よりか倍も3倍も失敗していると思いますよ、へましているはず。そういうことから成

功のあれが出てくる。だから1、2回失敗したからといって、どうってことないよと言い

たい。失敗を繰り返して、やりたいことをやりなさいということを言いたい。」

ノーベル賞受賞者が口にするのは異口同音「諦めないこと、できると信じることが大事で、

諦めなければ到達できる」ということです。

都知事が責任をもって活躍しなければ、東京五輪は失敗の恐れーー9月の勉強会報告

2015-10-02

9月29日の勉強会は、まず、福井義夫さんから2020年東京オリンピックをめぐる組織委員会をはじめとする関係者の
行動について、厳しい国民目線からの報告がありました。(報告内容はこのブログの前のブログに)その後、「チヤミーさ
ん」(本人の希望で仮名)から、自らが体験した長野冬季オリンピック(1998年)における組織委員会の混乱ぶりにつ
いて報告があり、それに基づいて、東京オリンピック組織委などを、今後、どのように改善しなければならないかについて、
真剣な討議が展開されました。

長野オリンピックでは毎朝、サラマンチ国際オリンピック委員会(IOC)会長以下の幹部やスタッフ数十人が出席して会
議が開かれたそうです。ところが、IOC側が長野オリンピック組織委側に質問すると、ほとんど答えられない。組織委に
はすべての問題に精通していて、責任を持って即答できる人がいないからです。数日経つとサラマンチ氏は堪忍袋の緒が切
れて、”Who is responsible ?”と怒鳴りだしたそうです。そこで、IOC側から出た質問を紙に書いて組織委側に渡し、
翌日、組織委側が答えることにしました。しかし、答弁に対する質問が出ると組織委側は答えられず、さらに翌日に持ち越
されるため、サラマンチ氏の怒りは収まらなかったといいます。

長野オリンピック組織委が醜態を繰り返した主な原因は。日本式のシステムと意思決定方式にありました。欧米先進国の場
合、組織のトップリーダーは強大な権限を持つ一方で重い責任を負います。また、リーダーシップを発揮するのが当然とさ
れます。組織が行動し、成果を挙げる現場には、中間管理職的なリーダーがトップによって配置されます。ところが、長野
組織委は無責任態勢で、リーダーシップは何処にも存在しませんでした。

「チヤミーさん」は「長野組織委を構成する長野県や長野市に比べて、東京都は組織もしっかりしているし、人材にも恵ま
れているだろうから、長野オリンピックにおけるような醜態を演じることはないだろうと考えていた。しかし、新国立競技
場やエンブレムをめぐる動きをみていると、東京オリンピックの場合も長野と変わりないのではないかと心配になってきま
した」と話す。他の出席者も彼女に共感しました。

では、どうしたらいいか。「組織委員会の委員を大幅に入れ替えた上で、責任態勢を確立し、リーダーシップを発揮できる
ようにする」ことで出席者の意見は一致しました。とりわけ、「森喜朗組織委員長は絶対、直ちに辞任してもらわなければ
ならない」という点が強調されました。

私どもが、はたと困ったのは、こうした改革案をだれに訴えたらいいかです。現在のオリンピック組織委の中には改革を実
行しようという人はいない。森さんの首を切ろうとしない安倍首相をはじめとする政治家も同じだ。

結局、私ども意見は、窮余の策として、舛添要一・東京都知事に訴えるほかないのではないか、ということになりました。
2020年オリンピックを招致したのは東京都だし、オリンピック問題に関係している政治家の中では舛添さんが一番、ま
ともではないかという理由からです。「挑戦するシニア」としては、私どもの提言を書面で、近日中に舛添知事に提出する
予定です。                             (文責 早房長治)

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