69回目の終戦記念日に思うーー集団的自衛権問題に寄せて

2014-07-15

本格的な夏の到来が間近いです。夏の風物詩である京都の祇園祭が始まりました。

一ケ月後には8月15日の終戦記念日が到来します。首相や議員の靖国神社参拝が毎年政治的問題になります。昨年の安倍総理の靖国参拝で特に同盟国アメリカからも批判が飛び出しました。声高に日本を非難する中国、韓国に対し日本国内では感情的反発が増えています。

終戦から69年。段々と戦争体験者が少なく成っています。戦後一貫して来た平和国家日本という姿勢が安倍政権の拙速とも言える閣議決定で集団的自衛権の容認と成りました。多くの国民が個別的自衛権と集団的自衛権の違い等を理解していない中で憲法の基本を一内閣の解釈で変更する危険性が指摘されています。

紛争の地域として何度もアメリカが軍事介入をしてきた中東諸国では日本の平和主義は大変に尊重されて来ました。石油の殆どを中東に依存する日本は米国との同盟関係はありながら常に一定の距離間を保ち一発の銃弾も撃って来ませんでした。しかし集団的自衛の容認は中東諸国からすれば今までの日本とは違いアメリカと一緒に銃弾を撃つ国、という受け止め方をされるリスクを抱え込んだと言えます。現地に進出する日本企業や邦人が今後はテロの対象になる危険性があります。

この視点がどのマスコミでも指摘されてないのが不思議です。安倍総理は遠い中東などでの戦争には参加しないのだ、と記者会見で発言していますがそれであれば何故集団的自衛権なのでしょうか。同時に中東諸国が如何なる受け止め方をするのか、邦人がテロの対象になる危険性をどの程度理解しているのか極めて疑わしい感じを受けています。

今年は改めて終戦の玉音放送に込められた昭和天皇の願いを噛みしめる年ではないのかな、と思います。

(守山 淳)

(守山さんは雑誌「きらめき百歳」に「士魂商才」を連載しています。今月のテーマは集団的自衛権の行使に関する閣議決定ですーー早房長治)

コメント1件

  • 早房長治 | 2014.07.16 5:28

    自衛隊は第2次大戦後、約70年間、人を殺さず、自らも死者を出さない、「平和国家・日本」を象徴する貴重な存在でした。この金看板を、いま、なぜ捨てるのか。安倍晋三首相の国会答弁を聞いても、全く分かりません。
    守山さんが言われるように、「集団的自衛権の行使によって、世界の日本を見る目は大きく変わる」ということを、私どもは実例を交えて、もっと語らねばなりません。

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