前にもあったオリンピック委の失態ーーチヤミー

2015-09-14

国立競技場から始まり五輪の問題まで、多くのケチが付いた東京オリンピック。雲行きが怪しくなってきたその成功。1998年に長野の冬季オリンピックの100名近い公式通訳者を競技場に毎日送り込む仕事を請負い、準備段階の1月23日から35日間長野に滞在し、業務に当たった経験から「ひとこと」言いたい。

本来の仕事は、メダリスト候補をシミュレーションし、その言語の通訳者を各会場に毎日送り込む。英・仏・露・伊・独語だった。未だボランティアも全分野で派遣される前で、長野市の地図も知らないまま雪が舞う中オリンピック車の運転手もやった。オリンピックの青い花のようなエンブレムの入った車は河川敷に何台も駐車していて、それを5台だったか業務用に与えられた。それら車は殆どが8人乗りのバンでバス専用レーンを走る事を許されていた。しかしながら渋滞はあるので、各競技場の下見を兼ねて走行時間等も調べた。日本が金メダルをとれる競技の開催日にはスポンサー等が押し寄せ、渋滞を悪化させた。通訳者の到着が記者会見に遅れたこともあった。大都市東京では一体どうなるのだろうかと不安が頭をよぎる。

もっとも心配なのが、日本オリンピック組織委員会だ。縦割りの官僚組織。長野では毎日早朝サマランチ会長が議長をする会議があった。そこで全ての競技に関する事、その他問題などが協議された。夜中に雪がふると大回転の競技場の雪かきも含めた整備がある。オリンピック村で優勝チームが飲み過ぎて騒ぎを起こした等々、多岐にわたる諸問題の議論が毎朝あった。ところが国際オリンピック委員から長野側に質問があると、長野側は責任の所在をざわざわと確認しあい、結論、すなわち返答ができず、とうとうIOC側が怒りだす始末。サマランチ議長は業を煮やし、それなら翌日返答するよう会議のやり方を変更しようと提案。長野側がIOCに対して返答すべき事をメモする役割が自分に回ってきてしまった。7時から会議は始まり、1時間若しくは90分で終了。日英・日仏の同時通訳も入っていたにも関わらず、日本語のメモを長野側に渡す。その期限が10時前。それを元にNAOCは回答をIOC側に翌朝伝えた。

東京都は地方とは違うとのではないかと思っていたが、これまでの経緯をみて、もしかしたらとだんだん不安になってきた。

重要なのは内輪できちんと物事が決断でき、なおかつ横や縦に交渉ができて結果を出せる人物を多数要所に配置する事だと思う。言語能力は二の次。勿論できた方が良いのに越したことはないが、通訳に頼れば良い。大した交渉能力がなく、下手に言葉ができて結果を出せないのが一番困る。理解できたと思ってニュアンスの違いが分からず誤解を生むことだけは避けるべきだと思う。何でも大きなイベントは裏方がしっかり整理できていれば、上手くいく。(チャミー)

(投稿文は原則として署名入りでお願いしていますが、この投稿については、筆者がイニシャルを強く希望されましたので、認めました‐―早房長治)

コメント1件

  • hayabusa | 2015.09.17 22:40

    (下記は守山淳さんのコメントです)

     プログを拝読しました。日本の伝統的手法である合議制・・色々な意見を丸く収める手法は時に効果はあるのでしょうが即断即決が出来ない、しない難点は昔から指摘されてきました。誰も責任を取らない体制。それが長野オリンピックの現場で起こっていた事を知り改めて国際的大会をやる難しさも感じました。

    しかし日本は何故か大きな催し物を見事に運営して来ました。それは現場を支える人々の努力と叡智で困難を乗り越えたからだろうと感じました。その意味で今の東京オリンピックでの迷走はその覚悟も熱意もない人間をトップに据えた事が大きな問題であったのではないかと思います。新国立競技場問題もゼネコン入札もなく一業者に発注された事実は明らかに公平性を欠き利権が絡むが故の判断であったのだろうと誰れもが感じます。エンブレムも然り。上から目線の委員長の姿勢。この種の案件が現場の専門家に任せトップは何かあれば全て俺が責任を取ると云ったご仁が座らないと旨くいかないでしょうね。

    歓喜に湧いがオリンピックが逆に日本の名誉と信頼を傷つけている。その事に思いが及ばないトップを更迭もしないではオリンピックの成功は危ういと感じて居ます。

    29日の勉強会は出席出来ませんが、どうすれば良いのか、の視点でご議論頂き「挑戦するシニア」としての提言をメデイア、関係筋に提言する議論になる事を祈念します。

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    守山 淳 経営コンサルタント オフィス J.M. 代表   

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