亡国の道を歩む自民党――守山淳

2015-09-13

自民党総裁選挙は無投票で安倍総裁の再選が決まった。朝日新聞が一面で「異論封じ

単色自民」と題して次の内容で報じた。『政権を担う政党には二つの車輪が必要だと思

う。一つはリーダーがめざす政治を「支える車輪」。もう一つは政策を出来るだけ多く

の人に理解してもらうため多様な世論を「まとめる車輪」。だが今の自民党は「まとめ

る車輪」を欠いたまま、走り続けようとしている様に見える。総裁選は候補者同士の政

策論争を通じ様々な意見や世論があることを認識する貴重な機会だ。そのことでリーダ

ーシップの幅も広がるはずだ。一方、自民党のしてきたことは安倍総理の対立候補が出

ない様に派閥単位で締め付けることだった。首相側や業界団体から野田氏を支援しない

で、と圧力をかけられた議員が何人もいた。首相への異論を許すまいと、ここまで対立

候補を抑え込もうした総裁選は記憶にない。党の勉強会で自民党議員からマスコミを懲

らしめるといった発言が出る素地になっていないか。(中略)おりしも米国では来年の

大統領選に向け民主、共和両党で何人もの候補者が論戦を始めている。そんな光景こそ

が本来のリーダー選びのはずだが自民党はその機会を自ら放棄してしまった。』 

同じ日の朝日新聞の投書欄「声」に69歳の男性の投稿が掲載された。『野田氏は無投

票は国民に対する欺瞞であるし傲慢であるし不誠実だ」と言って当選の可能性を度外視

して立候補を目指した。安倍総理の「この道しかない」というキャッチフレーズに対し

「この道も、あの道もある」と掲げた。(中略) 野田様 立候補は出来なかったとはい

え「理」は貴方にあります。貴方の勇気に敬意を表し今後のご活躍を心より期待します』

 私は自民党を支持しています。安保法制議論で見えて来る今の野党の具体的対案を出

さずただ反対を唱える姿勢ではとても政権を野党に任せる訳にはいかないと思っていま

す。もう無残な民主党政権の愚を繰りかえすべきではないとも思います。

なるが故に政権政党である自民党が金太郎飴であったらこの国は滅びます。その意味で

今回の総裁選挙で野田氏に賛同して義を見て立ち上がる議員がほぼゼロであった事には

失望しました。議員諸氏は少しは自分の信念で自分の考えを堂々と行動で示して欲しい

と思いますし自分自身が恥ずかしくないのでしょうか。

昔の自民党の派閥跋扈が良いとも思いませんが少なくとも異論・反論を通じ活力があり

ましたしその中で切磋琢磨されて次代を担うリーダーも成長して来ました。

派閥政治の弊害と今の自民党の弊害を比べた時に日本の将来にとってどちらが有益と考

えると私は今の自民党では国は衰退の一途もたどるのではとの強い危機感を持ちますが

皆様は如何でしょうか。

先日石破大臣が次の総裁選を視野に派閥再生を目指しているとの報道がありました。

今回は勝算が無かったから次を目指すとの事でした。石破大臣には大いに期待をしてい

た丈にもしこの報道が正しいとせば(少なくとも今回は立候補しなかった事は確かです)

大いに失望をします。そんな程度の覚悟の御仁か・・という事です。上記の野田議員の

勝算を度外視しても立候補をした逃げない姿勢こそが一国の宰相に求められる資質であ

ると思いますので石破大臣も所詮は宰相の器ではない、と私は判断しました。

人間はどんなに普段きれい事を言っても肝心な時にそれを行動で示せるか堂かでその人

の資質が見えるのだと思います。

国会論戦で首相が野党の質問に野次を飛ばし何度も委員長から注意を受ける様な宰相を

抱える国は外国から見て信頼をされるのでしょうか・・・。その意味も込めて将来の総

裁候補と言われた議員が沈黙を守り党内事情だけで総裁選を回避し野田議員の立候補を

潰しに掛かった自民党に大きな失望を私は感じました。

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 守 山  淳 経営コンサルタント オフィス J.M.代表
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コメント2件

  • hayabusa | 2015.09.13 0:22

    (下記は小林昌三さんのコメントです)

    まさに ご指摘の通りです。 しかし 残念ながら 是が日本の政治の現実です。 この朝日に投書された69歳の
    方も 書かれている通り。 つまり 日本には 未だに 本当の民主主義が定着していない事 でしょうか。

    自由闊達に 政治家や国民が冷静に議論しあう習慣がない・・・・要するに 国民も政治家も 自分で勉強・努力し
    情報収集やり 公に自己の意見を開陳し 議論できない。吉田 茂首相が その昔 国会で ”バカヤロー” とや り、解散になった 伝統・風習(?) いまだに 続いているという情けない様ですね。

    更に、官僚機構や 大企業にも やや似通った傾向があるのではないか? 

    先般も 書いたが 、自民党の 若手を集めて開催の 「文化芸術懇話会」 での 3名(大西英男・長尾 敬・井上貴博 いずれも衆議院議員) の発言 など バカ丸出し・そのもの で、安倍政権には そういう レヴェルの低い政治家が沢山いる という 事。 ましてや、民主・共産・維新の会 など 野党に至っては 更に レヴェルが落ちる。

    与野党が 対等に 国会など(どこでも良いが) で 正々堂々と 自分の頭で考え・自らの言葉で議論しあう風習
    が 戦後 70年 経っても 根ずいていない・・・・という事でしょうか?

    アメリカ・英国・豪州など と比較もできないが日本では 本当の 議会制民主主義における Politician , Statesman が未だに 居ないのではないか? 盆暮れ・つけ届け・冠婚葬祭への参加が 選挙での当落のカギに
    なる 風習がこの21世紀になっても、続いている 一般国民が まだ 政治を動かすのは自分達との意識がない
    のでは ないか?
    政治のレヴェルは 国民のレヴェルを反映するもの 故、まず 一人ひとりの日本人が自分の意見を言い合う 事から 始まるので は ないか? 安倍晋三首相 この3年間は、無難にこなしてきた(?)が、もし 今後3年間 総裁を続けるならば 先ず 自己の信念・ 政治哲学 に基ずいて 政策論争中心の政治 を実現して貰いたいものだ。

    貴兄の 一文を 拝読しての愚生の感想です。

  • hayabusa | 2015.09.13 0:39

    (下記は守山淳さんのコメントです)

    小林さん

     その通りだと思います。比較の問題ではありますが今の政治家よりは戦後の政治家の方がまだ

    ましな御仁は多く居たし自民党の中も多士済々でした。今は何でこんな奴を党の公認にしたの?

    と疑うお粗末な議員が多いのは矢張り緊張感のない政治(もう自民党は政権から陥落する事はな

    いと思っているのでしょう・・)が続いているからでしょうか。少子化で人口が減るのであれば

    当然に議員の数を減らすべきですね。その意味で中間選挙区制度と議員定数の削減を国民の圧力

    で議員の重い腰を持ち上げ緊張感ある政治に追い込む以外にないのでは、と思います。

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