迷走する安保論議、中国対策を忘れるなーー守山淳
国会の安保法制議論が紛糾しています。憲法違反の学者の意見で更に審議が揉めてい
ます。安倍総理は米国議会で約束した為でしょうか謙虚に聴く耳を持たずの頑な姿勢が
危うさを感じさせます。野党は相変わらず枝葉末節な問題の議論で空しく時間が経過し
ている様に感じます。地球の裏側での集団的自衛権行使が議論の中心ですが安保法制で
の原点を見失っている様に思います。
それは今後も益々増えるであろう隣国、中国の力の外交に如何に備えるか、その為に今
の法律の欠陥を改正して如何に有事に備えるかの議論が重要だと思います。最終的に憲
法改正を睨む安倍総理が緊急の課題である足元の安全保障体制の議論を地球の裏側まで
広げた為に肝心の足元さえ決められない袋小路に入り込んでしまった不手際を感じます。
安部総理は「美しい国」と言い戦後の自縛からの解放を訴えました。即ち、日本に蔓
延している「自虐史観」。「日本は悪いことをした民族だから何をされても反論したら
いかんのです」という自縛です。その間に中国や韓国は「南京大虐殺」「従軍慰安婦」
をウソのプロパガンダを世界に向けて発信し可なりの成功を収めました。
日本では日の丸とか憲法第九条を口にすると軍国主義者とのレッテルを張られました。
オリンピックでは日の丸を振り日の丸に感激しながら学校などでの国旗掲揚は軍国主義
の復活と言うのは何故でしょうか。海外に駐在すると常に自分が日本人であるという事
を自覚させられます。そして日本が殆どの国から愛され尊敬されている事を認識します。
英国国営放送のBBCは毎年BBC COUNTRY POLLと言う「各国のポジテイブな
影響、ネガテイブな影響を政治、経済、文化、伝統、国民性などの要素」を調査してラ
ンキングを発表しています。2012年版は世界22ケ国の2万4千人余りに調査を行
いました。その結果、日本は世界で最もポジテブな影響を与えた国という評価です。
2011年が3位ですから躍進です。22ケ国の中でポジテイブが勝るとした国が20
ケ国、ネガテイブが勝るとした国が2ケ国。その2ケ国が中国と韓国です。中国は63
%が日本にNO、16%が好意的。韓国は58%がNOで38%が好意的。この調査の
後に領土問題が起きて2013年は4位に下がりました。中国・韓国の反日批判が影響
しました。
地理的にも経済的にも近い隣国2ケ国が反日的であるが為に日本の新聞を読んでいると
丸で世界中から日本は好感の持てない国との印象になりますが実は世界は日本には大変
好意的である事を先ずは我々は自信を持つべきだと思います。序に言えばネガテイブは
国のトップがイランで以下北朝鮮、パキスタン、イスラエル、ロシアと続き韓国は第6
位でした。
領土問題のお陰で「日本の為に」「日本の国土を守れ」と言っても「おまえは軍国主
義者か」と言われなくなりました。独立国家が国を愛する、国を守るという当たり前の
事が当り前と受け止められる時代を造りだす良い機会だと思います。そして日本は冷静
に歴史的事実を示して領土問題を始め慰安婦問題などを世界に向けて確り発信を続けれ
ば殆どの国が日本に好意を持っている事実からしても正確に日本の立場を理解して貰え
ると思います。その発信を行わず元々反日感情で溢れる中国、韓国に必要以上の遠慮を
し問題をあやふやにして来た従来の外交姿勢が今日の混乱を増長させた大きな要因だと
思います。その意味でも「自虐史観」から脱却をし日本の犯した間違いは素直に認めな
がら事実に反する為にしての対日批判には毅然と論理的に客観的事実を踏まえて反論す
る姿勢に切り替えるべきだと思います。
日韓は米国を入れて同じ民主主義を基盤とする同盟国ですから朴現大統領の頑な姿勢が
段々と韓国内でも批判を浴び米国では嫌気が差して露骨に韓国への対応が冷たくなって
います。余り追い込むとAIIB参加表明と同じで益々中国にすり寄る危険性はありま
すがその中国が韓国を持て余している感じですから余り心配をしていません。
現にBBC調査でも韓国の65%が日本に好意的でしたし翌年は68%に増えました。
しかし中国は違います。アメリカに対抗して世界の覇権国を露骨に目指す中国に取り尖
閣列島確保は安全保障上も資源・食料輸入のシーライン確保の意味でも絶対に確保せね
ばならぬ地域です。加え共産一党独裁であり急激な軍備拡張は戦前の日本軍部が犯した
と同じ間違いで自分達は世界で一番強いのだという根拠のない自信に繋がる危険性があ
ります。それだけに硬軟取り混ぜて外交手腕と備えあれば憂い無しの防衛手段を早期に
構築すべきだと私は思います。歴代政権が中国を刺激しない為に何もしないという姿勢
が問題を複雑化させた思います。
以前、中国のネットに沖縄占領憲法というのが流れました。沖縄を占領した時にはこう
いう憲法を作りますよ、という内容です。中国は政府によりネットの検閲が極めて厳し
い事は良く知られていますのでこの沖縄占領憲法は中国政府に黙認されているという事
です。中国の強かさは狙った獲物を確保する為に時間を掛けて実に周到に手を打ってい
くことです。野田政権は領土問題に対し不退転でやると、と宣言しました。大いに結構
な事だと思いますが宣言だけでは国土は守れません。中国が大量の漁船と称する海軍で
尖閣に押し寄せ占拠した時に自衛隊を出動させて武力を持っても死守する覚悟とそれに
対する法的整備を整えて初めて不退転と言えるのだと思います。その意味でこの緊急の
課題が大風呂敷を広げた安倍政権の失敗の為に埋没しているのが心配です。
***********************************************
守 山 淳 経営コンサルタント オフィス J.M.代表
〒107-0062 東京都港区南青山3-12-12 南青山312ビル 604号室
携帯電話 : 080-1075-6266 FAX : 03-6459-2112
E-MAIL: jun1207@abox2.so-net.ne.jp
URL: http://officejm.com/
自宅: 〒107-0062 東京都港区南青山4-15-16-301
電話・FAX: 03-3796-5566
********************************************