東京オリンピック招致のお祭り騒ぎは何なのか

2013-09-09

9月8日、日本のテレビはNHKを筆頭に、東京オリンピック招致決定で、一日中、大騒ぎでした。私はかつて運動部学生であったせいか、スポーツはやるのも観るのも大好きです。。しかし、このこととオリンピック招致は別の話だと思います。招致は東京都民にとって、いい面も悪い面もあるでしょう。どうして両者を冷静に比較検討しないで、お祭り騒ぎにしてしまうのでしょうか。日本のマスコミの現状はおかしいと思います。

1964年の東京オリンピック開催は高度成長期であったこともあり、東京にとっても日本全体にとっても、都民にとっても国民全体にとっても、プラスの面が非常に大きかった。インフラ整備を中心とする公共事業は経済発展のために必須だったのです。また、当時の日本人にとって、オリンピックは心身共に、先進国民になるために踏まなくてはならないステップであったのです。

しかし、今日の日本の状況は半世紀前とはまったく異なります。経済は成熟段階に入り、しかも少子高齢化が進んでいます。基本的に新規のインフラは不要です。オリンピック開催による経済効果は公共事業によるもので、成熟経済の下では一時的なものにすぎません。世界的なスポーツの祭典によって日本社会は活気づくでしょうが、これも一過性のものです。

オリンピック準備のためには公費だけでも数千億円を要するでしょう。このカネを他の用途に使ったらどういう効果があるのか。そういう観点も忘れてはならないと思います。                                 (9月9日記す)

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