選挙から逃げるのはよくないーー都議選の結果を見て

2013-06-27

23日に行われた東京都議選で自民党が圧勝し、自公両党で過半数を大幅に上回った。このような結果を生んだ原因は4つある。①民主党に対する失望②アベノミクスへの期待③民主党が候補者を絞り切れなかったこと④43.5%という低い投票率ーーである。

この中で最大の要因は史上2番目の低投票率である。このために、自民党は有権者全体の30%弱の得票で半数近い議席を獲得した。自民党に加えて、組織の統制力の強い公明党と共産党が低投票率の恩恵で第2、第3党の地位を得た。

棄権した都民の多くは「投票したい政党も候補者も見つからなかった」という。その気持ちはよくわかる。しかし、半分以上の有権者が棄権したら、議会制民主主義制度が事実上、成り立たなくなる。自民党の勝利にケチをつける気はないが、極度に低い選挙が民意を歪んだ形でしか表現しないことは間違いない。

「積極的棄権」について、昨年、このブログ上で議論が展開されたことがある。私は今日でも積極的棄権の考え方を支持する。しかし、理由をまったく言わないで棄権するのはよくないと思う。選挙の否定と区別がつかないからだ。

7月21日に予定される参院選挙には国の行方を左右しかねない大きなテーマが少なくとも4つある。①アベノミクスの評価②原発の継続か、脱原発か③憲法改正の可否④対中、対韓外交をどのように修復するかーーである。

アベノミクスが成功すればいいが、もう一度、バブルに陥ったら、日本経済は再起できないであろう。原発事故が再発したら、日本の信用は地に落ちる。憲法改正の方向を誤ったら、日本は再び戦争に巻き込まれる恐れがある。中国、韓国と対立して、日本の安全と繁栄を守れるであろうか。

有権者、とりわけ第2次大戦中、戦後の苦しい経験を味わっているシニアは、このような重要なテーマから逃げてはいけない。面倒でも自分でしっかり結論を出し、投票で意思を示したいものである。こうすることが将来の世代に対して責任を負うことにつながる。

 

 

 

 

コメント2件

  • 豪ヒマ人 | 2013.06.28 9:07

    貴見に全面的に 賛成です。

    とりわけ 最後の 4 パラグラフ、積極的棄権・参議院選挙で考慮すること・アベノミクス失敗すれば再起は困難・投票で意志表示を・・・・我々シニアが もし今度の選挙を真剣に考えて投票所に足を運ばなければ、その後の政権運営に文句をいう資格はない、と思う。
    また、外交問題 特に 中国・韓国との関係は今後あらゆる手段、人脈を駆使し、改善のために 引き続き最大限の努力を緊張心をもちながら やってもらいたい。
    米議会で 可決したように 尖閣問題で日本・中国関係が いよいよ 危険水域に達している現状をしっかり認識せねば、と思う。安倍首相よ、頑張ってください!
    豪ヒマ人 より

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