米国は永遠の同盟国なのかーー守山淳

2016-05-17

次期大統領候補となったトランプ氏の在日、在韓米軍駐留費用の全額負担要求が俄かに

注目されています。これに対し「非現実的だ」との声が上がっていますが彼が大統領にな

ったら彼は必ず要求するでしょう。これは戦後の極東での安全保障体制の根幹を揺るがす

問題です。

「歴史に学べ」は至言です。例えば我々は「アメリカは永遠に日本の同盟」と思っていま

すが本当でしょうか。過去の歴史を見ればそれは日本の妄想だという事が分かります。

1917年ロシア革命が起こり世界初の「共産国家」ソ連が誕生しました。彼らは「資本

主義打倒」を目指して建国されたのでアメリカとソ連は最大の敵同士の関係でした。しか

し第2次大戦の時アメリカは日本とナチスドイツを崩壊させる為にソ連と事実上の同盟を

結びます。2次大戦が終わると両国は戦争前の状態に逆戻りしました。今度はアメリカは

最大の敵だった日本、ドイツ(西ドイツ)と組みソ連と対峙しました。強力なソ連に対抗

する為にソ連と同じ共産国家中国と組むことにしました。要はアメリカは自国の都合でコ

ロコロ同盟関係を変えて来ました。それからすれば「日本は永遠の同盟国だ」というのは

大間違いだという事です。

中東の親米国家はイスラエルとサウジですがオバマ大統領は最大の敵国であるイラン核問

題を解決する為に事実上イスラエルとサウジを捨てました。今アメリカとイスラエル、サ

ウジの関係は最悪です。この中東で起こったことはアジアも起こるという事です。

日本がアメリカの同盟国になったのは戦後ですが戦前も両国が「事実上の同盟」と呼ばれ

た時期がありました。1905年頃です。日露戦争で日本が勝利した背景には当時の同盟国

イギリスとアメリカの支援が大きかったと言えます。日本の勝利を喜んだアメリカは「桂

・タフト協定」と呼ばれる「日本はアメリカのフィリピン支配を認めアメリカは日本の朝

鮮半島支配を認める」内容で「極東の平和は日米英によって守られるべき」との関係でし

た。処がアメリカの鉄道王ハリマンは日本がロシアから譲渡された「南満州鉄道」の「共

同経営」を提案しましたが日本は拒否します。するとアメリカは「日本は満州の利権を独

占するつもりではないか」と疑念を強めます。結果アメリカは一転「反日」に転じました。

アメリカは「日英同盟」を破壊すべく熱心に英国に働きかけます。そして第1次大戦が勃

発。アメリカは同盟関係にないのに全力をあげてイギリスを助けました。一方「同盟国」

である日本はイギリスの再三の「陸軍派兵要求」を無視しました。イギリスは「なんのた

めの同盟か」と失望し1923年日英同盟は失効します。以後米英は一体化して「日本封

じ込め」に動きました。

この歴史の教訓は何を示しているか。どの国でも自国の利益を最優先します。特にアメリ

カは同盟国といえども潰しに掛る国だという事です。アメリカが嘗てソ連と組んだ様に今

度は「中国と組んで日本つぶしに走る」可能性もあるという事です。現に次期大統領候補

であるトランプ氏はロシア、中国との互恵関係を唱え日本に対しては軍事ただ乗り論を展

開しています。そのトランプ氏の主張が多くの米国民から支持されている訳で日本にとっ

て大きな歴史の曲がり角に立たされているのかも知れません。

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守山   淳   経営コンサルタント オフィス J.M. 代表

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