アベノミクス2年間の結末ーー守山淳
2015-07-03
アベノミクスの効果はおおむね出尽くしました。結局は「短期:日銀の量的緩和の効果は
殆どなかったが円安の効果は大きかった」「中期:財政再建は絶望的になり社会保障の負担
が激増」「長期:人口減少によって世代間・地域間の格差が拡大する」となっています。
政治家やマスコミは短期の効果ばかり見ていますが「インフレ目標でデフレを脱却すれば日
本経済に明日がある」というアベノミクスはもともと幻想であり2年たってそれが証明され
ただけとなりました。インフレ率も成長率もほぼゼロになり経済効果は円安の影響だけ。
これによって輸出企業の収益が上がる一方で労働者や年金生活者が貧しくなったのは当然で
短期的には景気が良くなったような錯覚を与えていますが潜在成長率はゼロになり交易条件
は大幅に悪化しました。これは日本人が貧しくなったことを示しています。
日本が世界史上まれに見る高度成長を遂げた最大の原因は労働人口の急速な増加でしたがこ
れからは逆に労働人口が減少します。実質成長率がほぼゼロ(あるいはマイナス)になると
正社員と非正社員の格差が拡大し都市と地方の格差が拡大して多くの地方自治体が消滅しま
す。さらに高齢化で国民負担率が上昇し現役世代の可処分所得が絶対的に減少します。
明日は今日より貧しくなる時代が来る事を覚悟する以外にありません。
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