年金目減りは止めよ、年金財政改善は資産への重課などでーー「挑戦するシニア」の提言

2015-04-11

3月の勉強会

3月の勉強会は24日、「目減りする年金、どうしたらいいか」をテーマに開かれました。初めに、進行役の早房から「目減
りする年金ーーマクロ経済スライドの発動」と題した資料が提示されました。話し合いでは、ほぼ全員が、目減りする年金に強
い不満を示しました。「政府の方針通り年金が目減りして行ったら、生活できなくなる」という悲鳴もあがりました。1時間半
余にわたる熱心な討議の結果、「年金の目減りを食い止めるために、資産と富裕層に対する課税を強化せよ」などの提言をまと
めました。

会の冒頭に早房が提示した「目減りする年金ーーマクロ経済スライドの発動」の要旨は下記の通りです。

● 老齢年金は、2015年4月分から、本来なら物価と賃金の上昇を反映して、2.3%アップするはずである。しかし、
実際は、マクロ経済スライドの発動に加えて、デフレ時に年金減額を行わなかったために生じた「特殊水準」の解消分と
合わせて、1.4%を差し引くので、0.9%しかアップしない
● マクロ経済スライドによって、年金は40年代半ばまで約1%ずつ目減りして行く
● マクロ経済スライドの仕組み=①現在のような「若い世代から高齢世代への仕送り方式」だと、若い世代の負担増だけで
なく、将来、まともな年金を受け取れなくなるおそれ②04年に保険料上限を18.3%に固定し(17年度)、約100年間の 収入 を決定。給付額がこれとバランスするまで「目減り」させる。07年度にマクロ経済スライドを適用開始すれば、23年 度で終了する見通しだったが、適用が8年遅れとなったため、昨年6月の見通しでは、終了は40年代半ばとなる③目減  り率は「被保険者の減少率」と「平均余命の伸び」を勘案して計算される④物価が下落した場合や名目賃金がわずかしか 上がらない場合は、適用はは停止される

● 年金財政を安定させるために厚労省が考えている方策ーー①デフレの期間もマクロ経済スライドを適用②保険料徴収を6

5歳まで拡大

議論では、「年金の目減りに反対」「カネが足りないのなら、マクロ経済スライド、保険料の増徴以外の方法を考えよ」とい
う意見が圧倒的に多かった。会員が挙げた収入を増やす方法は4つあった。
第1は、無駄な公共事業を減らして、その予算を年金に回せというもの。第2は、女性が真に仕事と子育てを両立させること
ができる社会システムをつくり、それによって年金保険料を払う人を増やす。しかし、安倍政権がやっているような小手先の対
策では、「女性が働ける社会」は構築できない。非正規労働者の賃金を大幅に引き上げることによって、年金保険料を支払える ようにする。第4は、税制改革だ。具体的には、企業や個人の持つ資産への重課と、消費税への軽減税率の導入(日常品に対す る思い切った軽課、ぜいたく品に対する思い切った重課)が指摘された。

とりわけ、税制改革論はアベノミクスなどによる格差拡大に対す怒りを背景にしたもので、多くの出席者が強く主張した。その
主張は、世界的に有名なトマス・ピケテイの学説に一脈通じるものであった。政策についての発言と並んで、「シニアが結集して 年金党のようなものをつくる必要があるかもしれない」という政治的発言もあった。

<年金問題についての「挑戦するシニア」の提言>

1)マクロ経済スライドによって年金を目減りさせるシステムは廃止せよ
2)年金財政の改善は税制改革、とりわけ、資産への重課と消費税のぜいたく品に対する重課によって得た増収によって行へ

(文責=早房長治。3月の勉強会の報告が大幅に遅れたのは24日のコンサートの準備で超多忙であったためです。深くお詫びします)

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