12月, 2014年

旧年中のこと、新年への希望ーー小林昌三

2014-12-24

  みなさま へ

今年も あと 10日 となった・・・・個人的なことですが、思えば 1月2日から Golf をやり 今年最後は12月27日 94回 目 でラウンド終わる、 前年より 10数回少なかった。 天候のせいで、地球温暖化の影響が 当地でもある。

幸い、大病もせず 交通事故もなく 何とか 一年が過ぎたが・・・・来年も同じく 平穏無事であるか? は誰にも分からない。

安倍さんも 選挙で 大勝し、自信を持ったのではないか?  2015年は 憲法改正に 一歩進める年となりそうですね?

野党が余りに ダメなので 安倍政権の独走を 客観的に 牽制したり 出来るのは マス・メデイアであり世論   でしょう。もっとも 朝日は例の問題 で今後 新体制で 慎重にならざるを得ないでしょうが・・・・・。

野党は 民主党を中心に 一本にまとまる事が出来るか? 共産党が 今回議席を倍増し意気盛ん、かといって リーダーシッ プを 握るまでには 行かない・・・・推測するに 2015年も 野党バラバラのまま自民党にやられるだけ  ではない か?

自民・公明党政権運営でも 本当に日本の将来・国民の幸せ本意の政策 を画策し 実行できれば何よりだが まかり間違えば  再 び キナ臭い現場に 自衛隊員派遣など 起こり得る。国民の命を 自国ではなく他国の為に落とす危険性 が出て来は しないか  ?
デフレ脱却・経済最優先の アベノミクスは 一見 成功しているかに見えるが 果たして?

Obama大統領が 急に『Cubaとの国交再開交渉を始めた』のは 落ち目の政権・外交政策 で点を稼ぐ為ではないの か?
“世界の警察官の役割” が弱くなった America 、極東・アジアでの影響力が薄れたアメリカ、中東での仲裁役割 も影がうすくな りつ つあるアメリカ・・・・・2015年は 多分 中国が益々強大化し・世界への影響力を強める年となりそう

日本外交・最大のパトロンである アメリカのオキナワ基地問題は どう進むのか? オキナワ県民は 新知事に 普天間基地移動反対者が選 ばれ た。 さあ、どうする 安倍さん?

こうして 2014年は 日本は 国内的には 東北震災復興・原発再稼動・ゴミ処理問題・御嶽山噴火・(犠牲者が出たが) を抱えたまま  終 わりそうだが、外交で 北朝鮮拉致問題・ロシアとの北方領土、中国・韓国との国交正常化 等など問題山積。

さらに 基軸となる アメリカとの関係、現在の 外務省首脳の 弱腰外交で大丈夫か?

また、地震・火山大国 日本 にまたまた 大災害を起こる可能性も 否定できない・・・・・心配すればキリがないが。

ともあれ 2014年 色々ありましたが、『選挙での一票の格差』 に関して 最高裁の『違憲』 の 判断は 嬉しい話である。
これを機会に 是非 国会議員選出選挙のあり方、選挙の際、投票の基本になる 市区町村別 住民数の把握とその地区に於ける 投票数の確 定な ど 慎重に検討の上、是正すべきは 早急に 正してもらいたいものだ。

年末にあたり 皆さんとご家族の ご健康と 尚一層の ご活躍を祈念し 、来る 2015年が 平和で 無事平穏な年となります様に!

Ciao !  Ciao !

豪ヒマ人   より

:

小林 さん

 

 

人生,先が見えてきましたね。幸い今年は番町の仲間はみなさん元気で 何よ りでした。来年もこうあってほしいですね。

 

小林さんご夫妻の気持ち分かります。小林さんのように大方の在外日本 人の 男性は失礼ながら奥方がお亡くなりになった場合には,やはり皆さん日本にお帰りになるでしょうね。以前にも小林さんの奥様の日常 生活の一部 (車で夜お帰りになるので心配等) のメールを頂いていますから分かりますが,ダンスは奥様の楽しみの一 つで すから止めさせるわけにもゆかずで,本当に心配で気持ちが揺れますね。私としては奥様が今後とも安全でご帰宅なさることを願うだ けしかできませんが。

 

東京は今は寒いですよ。もっとも日本全体が目下例年より早い寒波の 真っ最 中というところですかね。滝沢さんのところは私の所より都心からちょっと先なので私の所よりちょっと寒いかも知れません。今朝の 明け方の温度は正確には知りませんが多分0度近いのではないでしょうか。

 

ところで,選挙。予定通りの結果で何も新鮮味がなかったですが,いま 楽し み (?) にしているのが,日本の弁護士たちが一斉に前回の衆議院議員選挙の無 効の 訴えを全国的に起こしたことです。最高裁は前々回の選挙について一票の格差が開いているため憲法に抵触の恐れあり,等の趣旨の判 決をだしていますが,今回の選挙についてどう判断するか,判決は来年3月にもでるらしいですが,またまた最高裁は政治に屈するか,それとも 選挙 無効でやり直しの判決をだすか,それを楽しみにしています。

 

それではまた。

 

R.H.

 

 

 

中国の脅威に対抗できるか、懸念される米外交と沖縄県民の動きーー守山淳

2014-12-20

<歴史に学べ、翁長・新沖縄県知事の夢の危険性>

沖縄県知事選挙で現職が敗れ前那覇市長の翁長雄志氏が勝利しました。彼は「日米安保破棄」を訴えています。

「米軍を沖縄から追い出せ派」の人たちは「国土面積0.6%の沖縄に全国の74%の米軍専用施設が集中している。これは本土が沖縄を差別しているからだ」と言います。確かにこれは大きなな負担だと思いますがそれは差別からでは無いと思います。なぜ沖縄に米軍が集中するのか。当事者であるアメリカの元沖縄総領事ケビン・メア氏は彼の著書「決断できない日本」で次の様に言っています。

『日米最大の問題は「中国」である。アメリカは日本防衛と日本における抑止力向上に必死に取り組んでいる。それは日本周辺の安全保障からみた環境は実に厳しいからだ。特に中国の動向。中国は「第一列島線」の確保を目標にしている。即ち、中国の戦略構想では九州ー沖縄ー台湾ーフィリピンーボルネオに至るラインを第一列島線としこれを対米防衛線と設定、第一列島線には尖閣諸島などの南西諸島も含まれ有事にはこの範囲内に制海権・制空権を確保して米太平洋艦隊の進出を阻止する態勢を構築しようという戦略だ。中国はこの第一列島線に沖縄を含めている。有事の際、中国は沖縄を支配しアメリカとの戦いの最前線にすると言う構想でその為に「有事」のずっと前から沖縄を支配できる態勢を整えておかなければならず中国領土的野心は尖閣諸島だけに留まらず沖縄本島そのものにまで舌なめずりをしている』

中国は沖縄を本来は自国領と主張しその「回復」を唱え始めています。最近、中国商務部は息のかかった企業を通じて沖縄の不動産や土地を活発に購入しています。中国が日本各地の土地を買い漁っていますが沖縄もそのターゲットになっています。沖縄に米軍基地が集中しているのは「差別」ではなく沖縄がもっとも中国に狙われているからです。米軍が沖縄に集中している事でで沖縄は共産党の一党独裁国家中国の支配下に入らずに済んでいると言えます。

中国は最近「日本の領土は戦勝国が決定すべき。琉球が日本に属するか如何か再審議が必要」と中国紙が報道しています。要は「沖縄は日本に属していない」と言っている訳です。69年前中国、米国、英国の3カ国が「米英三国を促す日本投降の「ポツダム公告」を宣言しました。「ポツダム宣言」の8条に「日本国の主権は本州、北海道、九州及び四国ならびに吾等の決定する諸小島に限られなければならない」と定められています。日本の

領土は「本州、北海道、四国、九州」に限定されその他の島については「戦勝国が決める」と書いてあります。中国はこれを拠り所に「尖閣も沖縄もその他の島であり日本の領土ではない。それが日本の領土かどうかを決めるのは中国を含む『戦勝国』だ」というのが中国の主張です。これに対し日本は確りした反論をしていません。

しかし中国の建国は1949年です。第2次大戦が終わったのは1945年ですから今の中国は第2次大戦後に誕生した国ですから戦勝国ではありません。日本と戦ったのは蔣介石が率いる今の台湾です。2次大戦が終わっ

た時には存在していない国が戦勝国という大ウソを付いています。沖縄は1945年アメリカの統治下に入り1972年5月戦勝国アメリカから日本に返還されました。竹島が韓国領ではなく日本領であることもアメリカが決めました。しかしアメリカの没落もあり中国政府は全世界で「尖閣は中国固有の領土である」とプロパガンダを開始しました。

中国の最近の言動から見れば新知事の主張する「日米安保を破棄し米軍が出ていけば中国人民解放軍が沖縄を占領する」事になります。沖縄が独立すると沖縄は自国領だと主張している中国が必ず沖縄を事実上支配下に入れ

ます。中国の支配下に入ったチベットも新疆ウイグルも悲惨な目にあっています。翁長知事は選挙運動中「琉球語」であいさつをし「沖縄アイデンティティーの復活」を呼び掛けましたがそれができるのは「民主国家日本」

にいるからです。新知事を支持した沖縄の方々は今の自由を捨てて中国の傘下に入る事を是認しているとは思いませんが日米安保破棄は結果として中国領になるという道に繋がる事をもっと認識すべきだと思います。

日英同盟は最初は対露同盟として結ばれました。ロシアを刺激したくない伊藤博文は反対し満州をロシアに与て朝鮮を支配する「満韓交換論」を唱えました。彼が外遊している間に山県有朋と加藤高明や小村寿太郎など

外務省主流が結んだのが日英同盟です。世界最大の大英帝国と極東の新興国が同盟を結ぶという極めて有利な条約でした。日本が日露戦争に勝てたのもイギリス資本が日本の国債を買うなど補給面で協力して呉れた事が大

きかったと言えます。しかし日露戦争が終わると国力の衰えたロシアは協調的になり軍事同盟としての日英同盟の存在価値は薄れました。そんな中で第1次大戦が勃発。イギリスやアメリカやフランスからの度重なる要請にも拘わらず日本はヨーロッパ戦線には参戦しませんでした。背景に「参戦は日本にメリットがない」という国内世論の影響も大きかったと言えます。議会では尾崎行雄が世論を背景に参戦に反対しました。日露戦争であれだけ日本を支援して呉れた英国の恩を忘れた日本の態度にイギリスの不信も強まり辛亥革命後の中国をめぐっての権益が対立する様になります。

これが同盟解消の最大の原因ですが同時に日本の台頭を警戒したアメリカが「日英同盟は日本の大陸侵略を援護するものだ」とイギリスを批判して日英の離反を図りました。結果、1921年に日英同盟は解消されました。

この歴史に学ぶなら落ちぶれたとは言え世界の覇権国アメリカとの同盟破棄が如何に国益に反するかは明らかです。日本憲法の「平和主義」のおかげで戦後ずっと平和を維持できたと思うのは大きな間違いで核戦争の時代に単独で平和を守ることはできない中で日本はアメリカの核の傘に入る事で実質的に核武装している。しかし日本が第1次大戦の時の様に「ともに血を流す」事を拒んでいると同盟関係は保てなくなるリスクも認識すべきだと言えます。日英同盟を失って孤立したことがその後の日本外交の迷走と軍部の暴走の遠因になり同盟の解消から10年も経たない内に日本は侵略戦争の泥沼にはまりこんでしまった歴史の教訓に学ぶ事だと思います。

<オバマ大統領によって米のアジア外交は大転換している>

世界の警察と言われた米国がイラク戦争の泥沼化と多くの米国青年の血を流した事でブッシュの次の大領選で「貴方の息子を二度と血を流す事はしない」と訴えて大統領に就任したのがオバマです。それが故に中東からの
米軍撤退を進めました。その結果がイスラム国の様な異様な集団の台頭、ロシアのウクライナ介入などを許しました。今回のイラク空爆も単独ではなく多くの同盟国を募っています。

米国が建国以来進めて来た西へ、西への領土拡大政策がインデイアンを虐殺してSFまで到達。更に太平洋を渡りハワイ、グアムを傘下に入れ、スペインと戦ってフィリピンを手に入れました。その伝統的西進政策が中東での撤退に象徴さ
れる通り方向転換に向っています。これは何れ日本からの撤退にも繋がると思います。沖縄での反米運動もあり、今回の知事選での辺野古移転反対、日米同盟反対の知事の当選の民意を受け沖縄基地のあり方を米国は真剣に考えると思います。特に中国のミサイルの性能向上に伴い沖縄まで届く様になった事で沖縄一極集中の危険性が指摘されました。

2017年頃には朝鮮半島の情勢次第ですが在韓米軍の撤退を決めています。沖縄の基地の分散をどの様に進めるか分かりませんが海兵隊をグアムに移転、横須賀の海軍をハワイにと要はハワイ、グアム、アラスカという太平洋の真ん中まで撤退するという大きな流れだと言えます。

そうなると中国は如何するか。既に中国は米国に対しハワイを起点にして米国と中国で統治しようと提案しています。1992年、反米運動を受けてフィリピンの米軍が撤退しました。その隙間を縫って中国が領土を武力で占拠しました。今年米とフィリピンは米軍が自由に比国の施設を使える協定を結びました。中東で米軍が撤退した後に反米勢力が進出したと同じで極東から米軍がハワイまで撤退すれば反米勢力=中国が進出して来る事は確実です。尖閣のみならず既に我が領土だと言っている沖縄に対しも露骨な占領行動を始めると思います。それに対し日本は如何なる準備をするのか。

先月の沖縄知事選、今回の総選挙で沖縄県民は明確に「基地はNO」の意思表示をしました。民主国家アメリカもこの民意を無視できないと思います。安倍政権は逆に民意は無視し辺野古への基地移転を粛々と進めると言っていますが簡単ではなくなりました。カネで横面を張り上から目線の歴代内地政権に対する沖縄県民の感情的反発が高まっているのだと思います。しかし中国の戦略を踏まえ沖縄の置かれている

状況を見た時に沖縄県民は

米軍基地撤去により中国の傘下に入り事も已む無しとしているのでしょうか。この辺
りは反米・反日一辺倒の現地マスコミが一切報道しませんからどの程度の情報や理解があるか不明ですので本音の部分は良く分かりません。

日米同盟で米軍が何時までも沖縄や日本を守って呉れると信じ込んでいる方々は多いと思いますが米国の最近の外交姿勢を見て居ると我々も目を覚まし自国は自分達で守る覚悟と体制作りが必要になったと感じます。

先般、産経新聞ワシントン客員特派員である古森義久氏の掲題の講演を聴く機会がありました。同氏は日本は戦後最大の危機的状況に置かれている、と結論付けて居ます。中国は戦略的に要人の米国訪問を進め年中色々なイベントを活発に行い存在感を増していますし学者、留学生も増大しており撤退する日本とは正反対の動きをしています。米国も中国を継続的に分析しているが「協力と対立」「競争と協調」という対中姿勢で揺れている。

中国の急増する軍事拡張を当初は台湾問題への対応と理解していた米国は中国の本音は「米国主体のアジア安保体制を変えたい」という処にあるという理解に今は変わっている。中国は米国をアジアから排除し古き良き大中華民国の時代に戻す事を目指し種々の手を打っている。中国が米国に呼び掛ける「新
型大国関係」とは中国周辺の諸国・海域を中国の支配下に置く事でありその為に既存の親米関係を疎遠にする戦略を進めている。

中国は相手が軍事的に弱いと見れば力でねじ伏せる。ベトナム、フィリピンでの米軍撤退と同時に領土を奪った事、チベットなどでの虐殺を見れば良く分かる。尖閣列島も中国は絶対に譲歩も妥協
もしない。日本が譲歩すれば一歩前に出る。最終的には米国を追い出しこの地域を中国指導の下に置くまで今の
姿勢を貫く事は間違いない。

オバマ政権は中国と全面的に武力衝突の意思はなくその事知っている中国は危険な挑発行為を続けている。米国でも無人島の尖閣列島の為に軍事行動をする事への反対論を多くその意味で同盟国は
何がなんでも守るという事は期待してはいけない。

久し振りに日本に戻ると日本は極めて健全な国家で安心、安全、社会制度も人間の
質も世界に冠たる素晴らし

い国である事を実感するが何故か国家安全の問題になると自国の自衛対策を危ない、
危ないと騒ぐ不思議な国に

映る。何故、日本人はそんなに自国や自分達が選んだ政権を信頼しないのか。アジア地域制覇の野望を持って着々と手を打っている隣国がある中で日本の平和ボケは驚くばかりと言える。中国は日
本の大都市(東京も大坂も)攻撃出来る中距離ミサイルを保有している。しかしこのミサイルは米ソ冷戦後に破棄合意をした為に米国は持っていない。これを武器に中国が日本を脅しに掛かる事は今の日米関係からは非現実ですがそのリスクがある事を我々は知っておく必要がある。

以上が古森氏の警告です。残念ながら世界の情勢は善意だけでは成り立たないという事です。災害も国防も「備えあれば憂いなし」だと言えます。

*************************************
****

守山 淳 経営コンサルタント オフィス J.M. 代表

〒107-0062 東京都港区南青山 3-12-12 南青山312ビ
ル 604号室

携帯電話: 080-1075-6266   FAX: 03-6459-
2112

E-mail :  <mailto:jun1207@abox2.so-net.ne.jp> jun1207@abox2.so-net.
ne.jp

URL :     <http://officejm.com/> http://officejm.com/

自宅: 〒107-0062 東京都港区南青山 4-15-16-301

電話・FAX: 03-3796-5566

*************************************
****

 

 

 

12月の勉強会報告と、自民圧勝の総選挙

2014-12-16

12月9日勉強会報告と総選挙の結果

勉強会は総選挙の5日前の9日に開かれましたが、出席者の大部分は自民党の圧勝を予測していました。
また、若者たちを中心に棄権が多く、投票率は第2次大戦最低になるであろうという認識でした。

それにしても、若者たちは、なぜ政治に無関心で、投票にする行かないのでしょう。「彼らは目先の
ことしか考えない」「彼らは新聞をとっていない。テレビのニュースもほとんど見ていない。だから、
政治や経済の動きを理解できない」「彼らは汗水流すことを嫌う。投票に行くことも面倒くさがる」
といった否定的な意見が続出しました。

しかし、問題は、若者たちを投票の行かせるにはどうしたらいいかです。残念ながら妙案は出ず、
「私たちが日常的に若者と接触して、政治や経済についての知識の大切さや、なぜ棄権は望ましく
ないかを教えるほかないのではないか」という平凡な結論となりました。

総選挙をこの時期にやることに大きな意義を認めた人はいませんでした。「せいぜい安倍政権の
信任選挙」という見方が圧倒的でした。「一強・安倍政権の食い逃げ選挙」という見方も出ました。
民主党は今が底の状態、他の野党も共産党を除けば混乱状態であるから、「アベノミクスの成果
が不十分でも、自民党が負けることはない」と、野党の弱さに付け込んだというのです。

安倍首相による「アベノミクス選挙」というネーミングに対しては、「テーマは経済政策だけではない。
集団的自衛権と憲法改正、特定秘密保護法、原発再稼動などたくさんある」という反発が出ました。
しかし一方では、「野党は首相のペースに乗っている」という見方も出されました。

14日の選挙の結果、自民党は3議席減らしましたが、公明党が4議席増やしたため、与党は選挙前を
上回る325議席を獲得。特別多数(全議席の3分の2に当たる317議席)を超えました。
これで安倍政権は国会の数の上では「何でもできる力」を再び手に入れました。しかし、勉強会では、
「実際はそうならないのではないか」という意見が出されました。その理由は「力任せの国会運営で
国民から強い不興を買う可能性がある」「アベノミクスの失敗で経済状態が悪化し、政策運営の自由を
失うのではないか」というものです。確かにそのようなことが起きるかもしれません。

今度の総選挙の最大の特徴は、なんといっても、戦後最低の投票率であったということです。前回も
59%台と低かったのですが、今回は52.66%と、国民の約半数が棄権しました。自民党は過半数
(238)をはるかに超す議席を獲得しましたが、得た票数は25%にすぎません。いかに「白けた
選挙」であったかを数字が如実に示しています。こんな状態が続いたら、民主主義が空洞化しかねない
でしょう。国民全体が考えなければならない課題です。とりわけ若い世代が真剣に考えてくれることを
望みます。

(文責=早房長治)

 

マスコミのあり方めぐり激論ーー11月の勉強会報告

2014-12-01

一般論として、マスコミのあり方については、「多様なニュースやコメントを提供してほしい」「ニュートラルな論調が望ましい」「重要なのは権力監視の姿勢と報道の自由を守ること」「批判は必要だが、不寛容な見方は感心しない」「マスコミの報道は鵜呑みにしてはいけない」などの意見が出されました。しかし、議論は次第に朝日新聞の慰安婦問題と福島第一原発の「吉田調書」問題をめぐる記事取り消し問題に集中して行きました。

朝日新聞に対しては、問題の大筋について朝日新聞出身者から簡単な説明があり、その後、牧野義司さん(毎日新聞、ロイター通信出身)がジャーナリストの立場からこの問題をどう見るかの見解を示しました。その中では、「世直しはメデイアが行うという放漫さ」「記者クラブ制度に安住するメデイアのマンネリ化」「メデイアの編集・経営両面でのガバナンスの欠如」などが鋭く指摘されました。

出席者からは厳しい意見が相次ぎました。とりわけ従軍慰安婦問題については、「誤った可能性の高い記事を検証せず、なぜ30年間以上も放置したのか」「今回の記事取り消しや訂正でも、中途半端な態度を取り、謝罪を避けようとしたのはなぜか」などの疑問が多くの出席者から出されました。「記事を取り消しても、日本の国際的立場を毀損した朝日新聞の責任は免れない」という厳しい意見も出されました。

この議論と関連して、「日本の新聞・テレビが訂正や謝罪を嫌がる傾向があるのはおかしい。欧米の新聞は1ページにわたる訂正・謝罪記事を掲載することも少なくない」「日本の報道の多くは事実の報道ではなく、事実報道とコメントが混在している。このことが大手マスコミの”上から目線”の原因の1つになっているのではないか。事実報道とコメントは切り離すべきだ」という指摘がありました。

以上の報告でお分りのように、この日の討論では、朝日新聞をはじめとする日本のマスコミの今後のあり方について実り多い議論が展開されました。しかし、勉強会は、残念ながら、混乱のうちに終わりました。一部の出席者が「韓国側とごく一部の日本人が、第2次大戦中、日本の軍部が韓国女性を奴隷のように扱ったと主張しているが、そのような証拠はない。しかも、このような問題は日韓基本条約で外交的に処理済みである。慰安婦問題を引きずっている限り、日韓友好回復は不可能だ」と強硬に主張したのに対して、他の出席者が「旧日本軍が韓国人慰安婦を利用したのは紛れもない事実であり、慰安婦問題は今日的テーマでもある。その存在を否定することは許されない」と強く反発したためです。

本来なら、司会者である早房が「今日のテーマはマスコミのあり方であって、韓国人慰安婦問題そのものではない」と割って入り、議論を元に戻すべきでしたが、そのタイミングを逃したために勉強会は混乱に陥ってしまいました。勉強会に集まった「挑戦するシニア」の仲間が自らの主張を包み隠さず述べ合うことは望ましいことですが、他の人の主張に耳を傾けることを忘れるのはよくありません。議論が成り立たなくなりますから。司会者として反省するとともに、皆さんのご理解を強く期待します。
(文責・早房長治)

Copyright(c) 2012 Striving Senior, All Rights Reserved.