朝鮮半島有事の際、日本は韓国を支援すべきですか

2014-04-07

 今、ーゲル米国国防長官が来日しており北朝鮮のミサイル攻撃対策が協議されています。米国

は2017年度までにイージス艦を2隻在日米軍基地に追加配備をして7隻体制にする計画を明ら

かにしました。これは尖閣の問題を考えると日本にとっては大変に心強い事だと思います。同時に

ヘーゲル長官は本日からの中国訪問の際に「沖縄県尖閣列島に対する米国の立ち場尖閣列島は日

本の施政下にあり日米安保の適用範囲にある、と中国に伝えるとの事でこれで少しは中国の武力行

使への牽制になると思います。

同時に長官は歴史問題を巡る日韓の関係改善を日本に強く求めています。対北朝鮮、対中国との関

係を考えると米日韓の緊密な連携が不可欠という事でしょうが日本との対話の窓を頑なに拒否して

いるのは韓国ですから長官は日本に歴史問題で譲歩をしろ、という事でしょうか。これ以上の刺激

的言動は控えて欲しいという意味でしょうがそれで韓国が雪解けになるのか、と言えば疑問です。

集団的自衛権の問題で自民党の検討委員会で具体的にどの場合に行使するのかの意見交換が始ま

りました。日本国憲法は自国の領土が攻撃された時の交戦権は認めていますが例えば米軍のイラク

攻撃などに日本も参戦するのか、となれば殆どの国民はNOと言うのではないでしょうか。日本の

領域の中で米軍の軍艦が攻撃を受けた時は・・・、米軍と共に反撃するのはYESとするでしょう。

何しろ日本の国土、領域への侵略だからです。

新聞報道によると議論の中に韓国が北朝鮮の攻撃を受けた時に日本は米軍と共に出撃するか、とい

う想定質問があります。自民党の検討委員会での意見が聞こえて来ませんがへーベル長官と小野寺

防衛大臣の会談では日米韓で協力して北朝鮮に対峙する事が大前提で議論がなされた感じです。

しかし繰り返しの歴史問題で世界に向かって対日批判を繰り返す朴大統領に対し普通の日本人の間

でも嫌韓感情が広まっていますから日本が参戦する事にNOという声が多いと思います。

3月末の夕刊フジに「日本は韓国を助けない」発言の記事が掲載されました。昨年開催された日

韓の外交・安全保障問題を主なテーマに北朝鮮情勢や集団的自衛権行使容認に付いて意見交換する

日韓両国の非公式協議で日本政府関係者が「朝鮮半島で再び戦火が起きて北朝鮮が韓国に侵攻して

も日本は韓国を助けることにはならないかもしれない」と呟いて韓国側出席者は凍りつき言葉を失

ったとの事です。この発言は慰安婦問題、歴史認識、竹島問題で繰り返す朴大統領の対日批判に対

し日本側の韓国に対する冷めた感情を背景に発言されました。

日本は既に周辺事態法を1999年に制定。法律は朝鮮半島で有事が起きた場合は韓国軍と共に北

朝鮮軍と戦う米軍を支援する事を主な目的としてます。当初は韓国側の出席者は「自分達で法律を

作っておきながら今さら何を言うのか」との反発があった様ですが日本側出席者は「頭の体操だが

日本は米国に事前協議を求めて米軍が日本国内の基地を使う事を認めないこともあり得るかもしれ

ないということだ」と発言。ここに至ってようやく韓国側も発言の意味を理解したと言います。

日米安保条約に基づき米国は日本防衛の義務を負っています。米軍に日本国内の基地の使用が認め

られているのは飽く迄も日本の防衛が主な目的です。米軍が日本国外で軍事行動するために国内の

基地から航空機などが発進する場合には日米両政府の事前協議が必要となります。日本側出席者の

発言はこの事前協議で日本側が「ノー」ということもあり得るということを示しました。これまで

日米両政府間で事前協議が行われた事は1度もありません。ベトナム戦争や湾岸戦争でも「米軍は

移動している最中に命令を受けたのであってベトナムやイラクに直接向かうために国内の基地を発

進したわけではない」という論理で日本政府は米軍の作戦行動を担保してきました。しかし朝鮮半

島有事が起きた場合これまで通りの論理で米軍の作戦行動を日本は認める事ができるのか。国内の

嫌韓感情が更に高まれば韓国支援に対する拒否感情も当然に強まる。政府が韓国支援に動こうとし

ても世論の強い支持がなければ全面的な支援は難しくなる。 韓国の国防政策にとって米軍の来援は死活的な意味を持ちます。その米軍は沖縄や岩国など日本国

内の基地を使って北朝鮮と戦うことになっています。その前提が崩れるかもしれないという事です。

日本政府が事前協議を米国に求めてその場で「ノー」を言う可能性は限りなくゼロに近いと思いま

すがこれまで一切タブー視されてきた日米両政府の事前協議に日本側が触れたことの意味は大きい

と思います。

日韓関係に詳しい『コリア・レポート』編集長の辺真一氏は「安全保障問題に関して日韓両政府が

これほどギクシャクした関係になることはなかった。韓国が日本の集団的自衛権の行使に待ったを

かけてきたのが問題の発端だがこうした発言が日本政府関係者から出てくるというのはついに日本

も我慢の限界を超えたということ。韓国の建国以来、安全保障面でのサポートを続けてきたが『こ

の半世紀以上にわたる恩を忘れたのか 』というのが正直なところだろう」と解説しています。 「北朝鮮と38度線で国境を接する韓国がさらされる脅威は日本と比較にならない。日本の集団的

自衛権に関して強硬姿勢を貫き日本側の反発を招くのは韓国の国防を考えるなら百害あって一利な

し。朴政権の行きすぎた反日外交のツケがブーメランのように跳ね返ってきている」と辺氏は分析

しています。

このニュースは日本の一般紙では報道されていません。韓国でも報道されていない様です。朴大

統領は当然に報告を受けていると思いますがハーグでオバマ大統領の斡旋で実現した初めての日韓

首脳階段で見せた朴大統領の態度を見るとオバマ大統領の顔を立てて嫌々同席したという雰囲気が

一杯でした。この日本政府関係者の可能性の発言の意味を韓国民が知った時に彼らはどう感じるの

でしょうか。捏造した歴史で一方的に同盟国を中傷する朴大統領の姿勢を引き続き支持するのでし

ょうか、或いはその中傷のツケの大きさを感じるのでしょうか。大変に興味のある問題です

外交が自国の利益を拡大する為の闘いであるならドイツでの捏造南京虐殺を堂々と演説した中国の

習主席に対する菅官房長官の「誠に遺憾である」発言の如き平和ボケの反応ではなく堂々と歴史的

事実を上げて大きな声での反論をするのがマトモナ外交だと思います。その意味でも小野寺大臣は

ヘーゲル長官に「今の韓国政府の姿勢では朝鮮半島に有事があっても在日米軍の出動には日本政府

として賛成したいが国民感情がそれを許さないかもしれない」位の発信を米国と韓国にしたら良い

と思いますが小野寺防衛大臣はこの点を触れたのか不明です。

それ位の発信をしないと朴大統領は今の自分の言動が韓国の国益にも反すると気が付かないのでは、

と思いますが皆様は如何ですか?

 

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コメント1件

  • 早房 長治 | 2014.04.13 0:39

    朝鮮半島有事と日米安保条約の事前協議の関連に関する指摘は大変興味があります。この問題で最も頭を痛めているのは米国でしょう。米国は日韓双方に「態度を変えろ」と働きかけていると思います。

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