守山さんの意見を読んで考えたこと

2014-02-06

以下は守山さんのご意見に対する私のコメントです。どうしたわけか、コメント欄に入力できませんので、投稿の形で書かせていただきます。

守山さんの長文の主張は傾聴に値する見解であると思います。その主張の内容はほぼ正しいと思います。しかし、日本政府が「中国は独裁色の強い共産主義国だ。それに対して、日本は欧米や東南アジアの多くの国と同じ民主主義国である。したがって、現在の日中紛争について、中国の主張を否定し、日本を支持するのが当然ではないか」と訴えても、米国、西欧、豪州、タイ、インドネシアをはじめとする民主主義国は必ずしも日本に同調してくれないのではないでしょうか。

「イデオロギー外交」は1980年代末の東西冷戦の終了をもって世界からほぼ姿を消しました。米国外交の最重要相手国は中国とロシアですし、独裁国であるサウジアラビアなどの中東諸国やアフリカの資源国とも濃密な外交関係を続けています。それは西欧諸国も同じです。外交の要諦は「現実主義」、外交の最大の目的は「現実の国益を守り、紛争を武力ではなく、平和的に解決すること」でしょう。

米国は日本と民主主義国として価値観を共有していることはいうまでもありませんが、だからといって、日本が安倍首相の靖国参拝などによって日中、日韓関係を悪化させることを肯定しません。北東アジア情勢の安定を必要とする米国の国益と合致しないからです。米国は昨年中に何回も「尖閣問題と歴史問題は分離して扱うべきだ」「安倍首相の靖国参拝は避けてほしい」と通告していました。首相の靖国参拝に、米国政府が「失望」したのは当然です。

中国政府と韓国政府が国内向けに繰り広げる根拠に乏しい日本批判に対して、日本政府が明確に反論すべきなのは当然です。同時に、日本がやってはいけないのは首相の再度の靖国参拝と、政治リーダーによる第2次大戦における侵略に対する否定的発言です。慰安婦問題については、日韓双方による共同調査で事実を検証の上、事実が確認できた場合、日本政府が個人的補償を検討すべきでしょう。

守山さんの主張には、一つ、間違いがあると思います。中国が武力によって尖閣諸島の実効支配を図ろうとしており、将来的には、沖縄侵略を狙っているという点です。今日、このような情報は首相官邸と外務省、また、ほとんどのマスコミにもありません。(早房長治)

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