自らの人生を振り返った発言続出ーー愉しかった第1回勉強会

2013-11-11

「挑戦するシニア」の第1回勉強会は11月5日(火)午後、本部オフィスで10人が集まって開かれました。テーマは「アベノミクス・消費増税とシニアの生活」と「原発再稼働をどう考えるか」の2つ。議論百出は予想されたことですが、多くの出席者が自らの人生を振り返りながら意見を述べたため、議論は味わい深いものになりました。

アベノミクスについては賛否両論がありました。「政府が催促しても、ベーアップに踏み切る企業はごく僅かだろう。国民は所得は増えないままに物価上昇に苦しむということになりかねない」という意見が出る一方で、「デフレから脱却するためには、アベノミクスのようなやり方で経済成長を実現するほかない。シニアも政府の足を引っ張ることなく、経済的に少しでも余裕のある人はカネを使うべきだ。冥土までカネを持って行っても仕方ないと思いませんか」という問いかけもありました。

また、「米国などで1970年代から始まった金融資本主義は世界を大混乱に陥れた。それなのに安倍内閣はそれに対する反省もなく、第1次安倍内閣に続いて金融資本主義的政策に走っている。欧米で行き詰まった手法を用いても、成功するはずがない」という厳しい見解も表明されました。さらに、「日本の企業経営者はかつてとは違って広い視野も先取の気象も持っていない。進んでベースアップを実行する経営者は極めて少ないのではないか」「若い従業員も親の介護などに気を取られて、本気で仕事に取り組む人は少ない。このようなことを考えると、安部首相が経済の好循環を訴えても、社会システムが大幅に変わらない限り、アベノミクス、とりわけ、第3の矢である成長戦略は成功するとは思えない」という意見も出ました。

楽観的な見方としては、「宮城県にトヨタが進出したことによって、部品メーカーがたくさん創業し、コストでも中国メーカーをしのぐ成績を挙げている。そうしたこともあって、マンションの過去の最高値が4000万円であった仙台市で、最近、1億円のマンションが売れている」という報告がありました。

原発をめぐる出席者の意見は第1のテーマ以上に別れました。将来的に原発をゼロにすることに賛成する意見が多数でしたが、「日本の優秀な技術をもってすれば、非常に安全な原発を開発できるだろうから、ゼロにする必要はない」という主張もありました。ゼロ論者の中には「原子力の平和利用そのものがまやかしだ」という意見もありましたが、多くの人は「地震国の日本で原発を稼働するのはリスクが大きすぎる」という考え方でした。したがって、地震国でない国への原発輸出については肯定的な人が多数でした。

「高放射性廃棄物の最終処理場なないままに原発の稼働を続けるのは無責任だ」という小泉純一郎・元首相の発言に対しては、肯定的に見る人が多数を占めました。これは、従来、高放射性廃棄物の処理問題を隠してきた政府と電力業界に対する不信感が強いことを示すものともいえます。

第1回勉強会はフリーデイスカツションに終始しましたから、結論めいたものは全く出ませんでした。でも、出席者は己とは全く違う経験談や発想を見聞きして、驚いたり感じ入ったりしました。司会役を務めた私(早房)としては、12月3日(火)の第2回勉強会も自由に意見を交換するのがいいのではないかと考えています。近い将来、勉強会メンバーの意見が一致したら、何らかの形で外部に発信することを考えてもよろしいと思います。もし、異なるアイデアをお持ちの方がいらっしゃったら、ご提案願います。

(早房長治、11月10日記す)

 

 

 

 

 

コメントを書く







コメント内容



Copyright(c) 2012 Striving Senior, All Rights Reserved.