ヒマラヤで遭難死した主婦登山家に改めて敬意

2013-07-11

50歳から登山を始め、7大陸の最高峰と8000メートル級の5座を登頂した河野千鶴子さん(66)は5月23日、ネパール・ヒマラヤのダウラギリ(8167メートル)で遭難死しました。なぜ河野さんが50歳から登山に目覚めたのか、なぜ8000メートル級の高山を次々に踏破できたのかーーNHKが7月10日夜の「クローズアップ現代」で特集を組みました。

千鶴子さんは鹿児島生まれの勉強好きの女の子でしたが、「女には学問はいらない」という親の判断で、大学に進めず、助産師となりました。その後、看護師の資格も取り、50歳の頃には東京の大病院で約40人の部下を持つ女性リーダーになっていました。また、彼女は企業経営者の男性と結婚して2男1女をもうけ。妻として母としても役割を果たしました。

しかし、千鶴子さんは男尊女卑の日本社会に強い不満を抱いていました。「男性は仕事を懸命にやれば評価されるのに、なぜ女性は仕事と家事の両立を強いられるのか」「職場にも男女差別がある」。彼女は、女性が差別に苦しむことなく、自分の才能を思い切り伸ばせる場所を探しました。たどり着いたのが登山の世界であったのです。

8000メートル級の山へ登ることは苦しみの連続で、死に直面することもしばしばです。しかし、それに耐えれば他人に遠慮することなく自らの才能を伸ばすことができるのです。千鶴子さんにとって過酷の登山はむしろ喜びでした。

彼女は「ダウラギリは登る最後の8000メートル級の山」と話していたそうですが、残念ながら、その山で悪条件の中で遭難死しました。もう少し長生きして、男尊女卑の社会を改革するために行動してほしかったと思います。

日本にも素晴らしいシニア女性がいるものだと、感銘を受けました。

ご冥福をお祈りします。

 

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